皇室No.1の人気でも「佳子さま」写真集がさっぱり売れないミステリー

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“アイドルが来た!”

 例えば、この幹部氏のチェーンでは、いずれのムックも仕入れのうち、実際に売れたのは4割程度に過ぎなかった、とのこと。

「6~7割売ってはじめて成功と言えるレベルなので、在庫がだぶついています。しかも、どれも売れ行きのペースが落ちていて、このままだと、すべて消化するのに1年以上かかりそう。年内には大量に返品をしなければ、と考えています」

 すると、出版社はその分、大損を被ることになるのだ。

「率直に言って、版元が刷り過ぎたんだと思う。過剰に期待し、7万なんて刷っている社もありますが、実際はその半分程度が市場に見合った部数でしょう。明確に“失敗”と言えるケースです」(同)

 と言うから、版元の担当者は、今頃青ざめているのではないだろうか。

 この珍現象について、

「従来の皇室ファンと佳子さまファンは、明らかに層が違うからでしょうか」

 と読み解くのは、さる皇室ウォッチャー。

「佳子さまファンって、“カワイイ!”とか言いながら、両手を前に出し、殿下に向けて振ったりするんです。“アイドルが来た!”という感じで、あの人たちがわざわざ本を買うほど、佳子さまや皇室を敬愛しているとは、とても思えません」

『皇室手帖』元編集長の山下晋司氏もこれを受ける。

「皇室ムック本の読者は60~70代が中心で、若くて40代。一方、佳子内親王殿下に関心のある層は20~30代。そこを出版社が読み間違えたのでしょう。ただ、今は“可愛さ”が際立つアイドルに似たブームですが、両陛下のお振舞いのように、一貫して国民に心を寄せていることが伝われば、内親王殿下への支持は、もっと広がっていくと思います」

 その時こそ、本当に佳子さまが皇室No.1の敬愛を集められることになるのであるが、それが一朝一夕にはいかないのもまた事実――。改めて両陛下の歩みの“重さ”が偲ばれるのである。

週刊新潮 2015年10月8日号掲載

「ワイド特集 浮沈七度の決算書」より

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