3度目逮捕“死の後妻業”が告白した「精力剤の罠」

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 不審な死を遂げた男の傍には、常にこの女の影が付きまとう。筧(かけひ)千佐子容疑者(68)。6月11日、京都、大阪、兵庫、奈良の4府県警合同捜査本部は、神戸市に住む男性への強盗殺人未遂容疑で3度目の逮捕に踏み切ったのだ。1994年に最初の夫を亡くした彼女は、13年までに10人の男と結婚相談所や友人を介して知り合い、その全員が死亡。手にした遺産は約10億円である。

 今回の逮捕は2007年12月18日の事件。当時79歳だった末広利明さんは、神戸市内で寛容疑者と金銭の貸し借りの話し合い中、突然倒れ病院に搬送。1年半後に亡くなった際に司法解剖はされなかったが、青酸中毒と疑われる症状がカルテに残されていたことが逮捕の決め手となった。

「筧容疑者は、昨年11月と今年1月に、夫と交際相手への殺人罪でそれぞれ逮捕、起訴されています。遺体からは共に青酸化合物が検出されました」(社会部記者)

 これまでも、青酸入りのカプセルを被害者に飲ませていたことは自供しているが、今回はさらに具体的な手口を明かしていた。

「彼女は、“体にいいサプリ”だと言って自らは害のないカプセルを飲んで信用させ、被害者には青酸入りを渡していた。カプセルは、10年以上前から定期的に購入していた栄養剤と報じられていますが、実は夜の営みに効果のある精力剤だと仄めかし、被害者たちをその気にさせたようです」(同)

 昨年11月の逮捕直前まで、報道陣に対して熱弁を揮っていた彼女は、“男が求めてくるのは、料理、洗濯、夫婦生活や”なんて軽口を叩くほどだから、夜の誘惑を罠に男たちを惑わせたとしても不思議ではない。

「殺害を自供して吹っ切れたのか、彼女は多弁症の如く喋り続けている。勢い余って被害者の名を取り違えることもあり、どこまで本当なのか分からない部分も多いのが実態です」(同)

“死の後妻業”から贖(あがな)いの言葉は聞こえてこない。

週刊新潮 2015年6月25日風待月増大号 掲載

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