“爆買い”批判が止まらない「中国官製メディア」

中国週刊新潮 2015年4月23日号掲載

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 炊飯器、セラミック包丁、ウォシュレット付便座――。日本の家庭にごくありふれた品々が、中国人観光客には大人気なんだとか。

「昨年、訪日した中国人観光客は約240万人。観光庁の統計によれば、国内での消費額は前年比2倍超の5583億円で、1人あたりに換算すると約23万円にもなります」(社会部記者)

 2月の春節、4月の花見の時期も、都心の家電量販店や免税店に大挙して押し寄せた。“爆買い”と呼ぶ現象は止まるところを知らない。

 これに気色ばんだのが、中国の官製メディアだ。中国共産党の機関紙「人民日報」は、〈2015年の旧正月でもっとも“奇妙”だったのは消費者〉との記事を掲載。ウォシュレット付便座は中国でも販売されているのに、根拠もなく日本製はよいと思い込んでいると断じて、〈便座を買うくらいならかわいいもので、5キロで1500元(約3万円)もする日本米を買う奇妙な消費者までいる。中国人の消費行動は理性的でない〉と批判したのである。

「人民日報と並ぶ官製メディアの雄である中国中央電視台(CCTV)も、日本製と中国製炊飯器の比較実験を行う番組を放映しました。炊き上がった米の保水量やアミノ酸、糖質、弾性の違いを徹底検証。消費者に試食させて中国製の方が美味いという回答が多かったと“勝利宣言”しました」

 と解説するのは、中国事情に詳しいジャーナリストの高口康太氏だ。

「大手ウェブサイト『鳳凰網』では、人気コラムニストの唐駁虎氏が、日本製の炊飯器を例に、“美味しく炊けるというメーカーの説明は全部ニセ科学だ!”と批判を展開しています」

 だが、報道が増えるにつれ、“欲しい”という気持ちが逆に煽られているという。

「中国の官製メディアは共産党の“咽(のど)と舌”、つまりは代弁者と言われます。長年プロパガンダを見てきた中国人は、官製メディアが信用できないことを知っている。日本製を叩けば叩くほど、“本当は信頼できるのでは”と勘繰る人が多いのです」

 5月は労働節の連休があり、再び“爆買い”の猛者たちが日本へとやって来る。