糖質制限ブームで“悪者”扱いの白米、食べるべきか避けるべきか 「田中みな実は1日2合」

ドクター新潮 ライフ

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〈うまいものの極致は米なのである。うまいからこそ毎日食べていられる〉。美食家・北大路魯山人がこう形容した白米も、昨今では「体に悪い」とする説が広まっている。果たして「白米悪玉論」は本当なのか。意外な研究結果と効用を、3人の専門家が解説する。

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「白米悪玉論」は、近年の糖質制限食や低炭水化物ダイエットのブームと相まって、ちまたで盛んに叫ばれてきた。白米は精製された糖質であるため血糖値の急上昇を招き、血管を傷め、肥満や糖尿病などの疾患リスクも上昇させるというのだ。

 時をさかのぼると、1972年にはすでに、東北大学名誉教授の近藤正二氏が『日本の長寿村・短命村』という著作の中で、米どころで白米を大量に食べる村の住民は短命だと記してもいる。

 一方、女優や美容家として活動する田中みな実氏が、9月5日に自身のラジオ番組で「米めっちゃ食べてます、1日2合(約600グラム)」と発言。白米悪玉論に一石を投じた。もし米を食べても、彼女のようにスリムな体形を維持できるなら朗報である。

「お米を食べると太る」のではなく、「食べ過ぎたら太る」

 日本人にとって欠かせないソウルフードの白米は「悪玉」なのか「善玉」なのか。そこで、専門家に「米は本当に体に悪いのか?」という問いを投げかけてみると……。

「白米が体に悪いというエビデンスは確立されておらず乏しいままです」

 と言うのは、英ケンブリッジ大学で栄養疫学を専門とする上級研究員の今村文昭氏。今村氏は、『日本の長寿村・短命村』の結果についても次のように解説する。

「当時はエビデンスの考え方や研究手法が特に未熟だったといえます。白米を大量に食べるとなれば、例えば他の食が細かった可能性も考える必要があります。漬物など高塩分のおかず少量と大量の白米でお腹を満たしていれば、短命になるのも無理はありません。白米そのものが原因とは断定し難いのです」

 ならば、現代の研究ではどのような結果が出ているのか。

「2022年に北米の大学を中心とするチームが発表した論文では、お米の摂取量がある一定量より多い人ほど糖尿病のリスクが高いと報告されています。しかし、日本の大規模研究を含め、他の重大な疾患を対象とした現代の疫学研究ではそのような関連性は認められず、白米を1日に1膳~2膳食べることそのものに悪影響があるとはいえません」

 白米が糖尿病のリスクを上昇させる、という点については、東京農業大学農芸化学科栄養生化学研究室の山本祐司教授がこう語る。

「私の研究では、白米、玄米、コーンスターチ(とうもろこし由来のでんぷん)の3種類を、食欲をコントロールできないラットに100日間自由摂取で与えて違いを調べました。結果は3群共に肥満状態となりましたが、群間に体重の有意な差はありませんでした。つまり、『お米を食べると太る』のではなく、『食べ過ぎたら太る』のです。お米か否かは関係なく、過食が肥満の第一原因であることを示しています」

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