糖質制限ブームで“悪者”扱いの白米、食べるべきか避けるべきか 「田中みな実は1日2合」

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米に含まれるタンパク質の働き

 加えて、米好きにはうれしい“ある効果”も示された。

「コーンスターチを食べた群では脂肪肝炎が見られたのに対して、白米と玄米では肝臓への脂肪の蓄積が見られませんでした。脂肪肝炎とは、脂肪肝が悪化した状態のことです。脂肪肝炎が問題視されるのは、放置すると肝硬変を起こし、さらに悪化すると肝臓がんになるからですが、米には肝臓に脂肪が蓄積するのを抑制する効果があるのです」

 そのメカニズムを解明すべく、研究を継続している山本教授だが、有力な仮説があるという。

「高脂肪食を食べさせたマウスに、米に含まれるタンパク質を与えた実験では、体重増加を抑える効果がありました。脂肪肝になると体内ではビタミンAが不足します。ビタミンAの代謝物であるレチノイン酸は脂肪の代謝を担っており、欠乏すると脂質の代謝がうまくいかず、脂肪の合成が増加してしまうのです。米に含まれるタンパク質に、このビタミンAの代謝を正常に戻そうとする働きや、小腸での脂肪吸収を抑制する可能性が実験的に示されています」

糖質が不足すると……

 さらに山本教授は、別の側面からも米食と糖尿病のリスクに疑問を呈する。

「日本人の1人当たりの年間米消費量は、ピーク時の1962年度の約118キロから約53キロ(2024年度)と半減しています。しかし、60年ごろ100万人以下だった糖尿病の患者数は現在500万人台と、激増している。米が糖尿病の原因であれば、米の摂取量は減っているのに糖尿病患者が増加している説明がつきません。50年以降、炭水化物、タンパク質、脂質の中で、日本人の摂取量が一貫して増加し続けているのは脂質のみ。糖尿病の増加は脂質の摂取量の増加が原因だと見るのが自然です」

 ちなみに、現代日本人の1日当たりの平均タンパク質摂取量は約70グラムで、戦後の50年代ごろと同程度の低水準まで減少している。そのため、昨今は低糖質食と同時にタンパク質の摂取も盛んに推奨されているが、そこに落とし穴があると言うのは、札幌保健医療大学大学院教授の川口美喜子氏だ。川口氏は管理栄養士で、栄養学の専門家である。

「高齢者は筋力が低下しやすく、転んで骨折し入院すると寝たきりになるリスクもあるため、タンパク質を摂取しなさいとメディアで盛んに発信されています。同時に、糖質は肥満のもとと言われ、その結果、高タンパク低糖質食を実践する中高年や高齢者は多い。しかし、実は十分に糖質を取れていなければ、タンパク質は筋肉の維持・向上よりも不足するエネルギーとして使われます」

 筋力の面からも、糖質を取る必要があると説くのだ。

「糖質は身体の生命活動を維持する重要かつ効率的なエネルギー源です。糖質が不足すると、脂質が利用され、それでも足りなければタンパク質が使われます。つまり、糖質が不足するとタンパク質が糖質の代わりとして使われてしまうため、筋肉の維持に使われず、筋力が低下しやすくなってしまうのです」(同)

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