「防災庁」発足で災害対応の“縦割り打破”…一方で「警察庁」サイドが渋い顔をする理由「これでまた担当大臣の格付けが落ちるのではないか」

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 11月2に発足した防災庁の設置に、警察庁サイドが嫌悪感を強めている。自衛隊とともに地震や台風など、災害現場で活動する警察にとって、防災庁は指揮役ではなく調整役。目の上のタン瘤(こぶ)ではない。だが、警察庁元幹部は「警察組織の担当大臣の格付けが、再び下がるからです」と打ち明ける。なぜ格が落ちるというのか。その真意を探ってみた。

新設された9つの庁

 地震大国や災害大国と呼ばれる日本では、過去15年を振り返っても2011年の東日本大震災に始まり、10年前の熊本地震、2年前の能登半島地震、そして7月には再び熊本県を地震が襲うなど、最大震度7クラスの地震が相次いでいる。風水害も2018年の西日本豪雨や令和元年東日本台風など、近年猛威を振るう線状降水帯を含め、枚挙に暇がない。

 もともと防災庁は、石破茂前首相の肝いり政策として発案され、7月に防災庁設置法が成立したもの。内閣直属と位置付けられ、首相が主任の大臣。国務大臣の防災相が事務を統括する。人員は352人。防災相には警察庁や防衛省など、関係省庁への「勧告権」が付与された。災害発生後の対応だけでなく、平時から事前防災に取り組むとしており「縦割り行政の弊害のさらなる排除」というのが、大義名分だ。

 政府は過去20年間に、9つの「庁」を新設している。だが「庁」といっても、2008年の観光庁、2009年の消費者庁、2015年のスポーツ庁と防衛装備庁、2019年の出入国在留管理庁はそれぞれ国土交通省と内閣府、文部科学省、防衛省、法務省の外局に過ぎない。

 一方で、東日本大震災という未曾有の出来事を受けた2012年の復興庁と、2021年のデジタル庁、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)を受けた2023年の内閣感染症危機管理統括庁、同年のこども家庭庁は外局ではなく内閣の下に置かれたものだ。特に復興庁とデジタル庁は内閣総理大臣をトップに、担当大臣として国務大臣を配置。強い総合調整権限を持つ“高級官庁”に位置付けられている。防災庁は「この復興、デジタル両庁と肩を並べる最高クラスの庁」(前出の警察庁元幹部)となるわけだ。

「実は『大臣の格付けがまた下がってしまうな』というのが、我々、現場の警察官の本音なのです」

 警察関係者は、こうタメ息をつく。警察庁を所管する大臣は、名称からは分かりにくいが国家公安委員長と呼ばれる。捜査権限や警察権力は、政治と一定の距離を置くべきとの考えが根底にある一方で、警察ファッショや公権力の横暴に対する第三者のチェック機能が必要なため、日本では民間人に委員職を委嘱した、国家公安委員会という組織が警察庁を監督するシステムとなっている。また警察庁はあくまでも各都道府県警を統括する立場。捜査自体は自治体ごとの警察本部が担っている。ただし、委員長は国務大臣だ。

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