「防災庁」発足で災害対応の“縦割り打破”…一方で「警察庁」サイドが渋い顔をする理由「これでまた担当大臣の格付けが落ちるのではないか」
菅官房長官の存在感
菅氏は、震災の翌年に発足した第2次安倍政権で官房長官を務め、長官在職期間が7年8か月と史上最長を記録。その後、第99代内閣総理大臣を務めたが、
「菅さんは総務副大臣と総務大臣を歴任しており、自治省が郵政省と経済企画庁を吸収したことで、総務省には権限がさらに集中していることを身をもって知っている一方で、総務大臣の権力が増大化し過ぎないように、警察組織をグリップできる国家公安委員長ポストとは、切り離されたことも熟知していました」(同)
菅氏は人事を駆使して人心を掌握することで知られたが、その菅長官の差配で国家公安委員長兼防災相に、同じ神奈川選出の河野太郎、松本純(故人)、小此木八郎の3氏を据え、その後は旧二階派幹部の武田良太氏を起用している。
「松本、小此木の両氏は菅氏の盟友にして弟分。松本さんとは横浜市議時代からの兄弟分で、小此木さんは彼が小学生時代から菅さんが彼の父の秘書をしていた間柄。河野さんは菅さんのグループではありませんが、共闘関係にあり、2021年の自民党総裁選では菅さんから全面支援を受けています」(同)
武田氏は長官だった菅氏と自民党幹事長だった二階俊博氏のパイプ役を務め、菅政権では総務相も務めた。また首相退任後の菅氏が自民党総裁選の決選投票で支持にまわり、高市早苗氏に逆転勝利した石破茂首相の下で国家公安委員長兼防災相を務めた坂井学氏は菅グループ(ガネーシャの会)の代表だ。
「自治相兼任の時代は、実力派の議員先生に長期スパンで警察行政や警察組織の理解者になっていただけるというメリットがありました。防災相兼務になっても東日本の震災以降は選挙でアピールできる、表現は悪いが“おいしい”ポストとなり、それなりの先生が着任。菅さんの存在もあって法案を通す目先のメリットがありましたが、菅さんの政界引退が決まり、ついに防災相ポストも切り離されてしまったわけです」(前出の警察庁元幹部)
既に防災庁設置準備担当大臣は別枠となっており“警察担当大臣”の影は、このまま薄らいでしまうということか。



