「夫とは一度も寝室をともにしていない」再会した元恋人の相手は40歳上の金持ちらしい 別れと不倫を繰り返す男女の15年

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【前後編の後編/前編を読む】娘を1人で産んだ妻「出産のとき、どこにいたのよ」夫は20歳美大生の部屋にいた 7歳年上妻の包容力を見誤った男の大いなる勘違い

 田川基晴さん(43歳・仮名=以下同)が最初に結婚したのは28歳のとき。半年ほど交際した7歳年上の女性が妊娠したことがきっかけだった。新婚生活を始めて間もなく、痴漢から助けたのをきっかけに美大生の利絵さんと知り合い、基晴さんは彼女に惹かれていった。初めて一夜を過ごした日、帰宅すると妻の姿がない。病院へ駆けつけると、妻はひとりで娘を出産していた。それから1年後、基晴さんは離婚を切り出される。抵抗したものの、妻には利絵さんとの関係を知られており、さらには利絵さんも突然姿を消してしまう。結局、30歳で離婚した基晴さんは、娘にも会わせてもらえず、ひとりで暮らしながら養育費を送る日々を過ごしていた。

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「32歳のときでした。利絵に再会したんです。会えなくなってから、なんとなく画廊や美術館で彫刻展をやっていると入って鑑賞するようになってしまって。そうしたらバッタリと。彼女は僕を見て立ち尽くしていました。僕も近寄れなかった。互いに相手を見つめたまま、どのくらいの時間が経ったのか……」

 利絵さんが歩いてきた。一歩一歩と近づいてきたそのとき、彼は利絵さんの左手薬指に指輪が光っているのをはっきりと見た。

「遅かったのか」「立場が逆転したわね」

 その後、ふたりは喫茶店に場所を移した。彼は利絵さんの左手を手にとった。

「遅かったのかと言いました。彼女は頷いた。僕は離婚したのにと言うと、彼女は『立場が逆転したわね』って。それは関係を再開しようという意味だと僕は受け取った」

 うちは結婚前も結婚後も、一度も寝室をともにしていないと利絵さんは言った。そんなことがあるはずはないと彼は思ったが、「本当なの」と彼女は力を込めた。

「大学時代、アルバイトをしていた美術関係の会社の社長で、僕と別れて1年後くらいに結婚したんだそうです。夫は彼女に、『就職しても創作活動だけしてもどちらでもいい。僕はきみの才能を信じている』と言って協力してくれていると。彼女は結局、大学に残って作品を作り続けているらしいけど、どういう作品を作っているのかとかそういうことはあまり詳しく教えてくれませんでした」

 仮面夫婦みたいなものね、あるいは私は飼われているだけなのかもと彼女は自嘲的につぶやいた。そういう言い方はやめなさいと彼は言った。僕のせいだ、僕が悪いんだとつい言ってしまうと、彼女が「そういう言い方はやめなさい」と言った。

「やっぱり僕らは気が合うんだとふたりとも思った。そして関係は復活しました。いくら仮面夫婦でも、夫が知ったら楽しいはずがない。彼女は、夫はワークホリックだからと土日になると僕の部屋に通ってきました。だんだん彼女の私生活がわかってきた。相手はすでに60代。彼女より40歳も年上だったんです。別れてしまえと言ったけど、彼女は彼の資産なしに私は創作活動はできないと」

 2年ほど濃密につきあった。その間、何度も離婚してほしいと言った。創作活動は細々と続けていけばいいじゃないかと説得した。だが彼女は離婚はできない。私はあの人に恩があると言い続けた。

 基晴さんは、ある日ふと、もう愛しきったと感じた。利絵さんには何も告げず、引っ越した。それですべてを察したのだろう。彼女は追ってこなかった。

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