なぜ資さんうどんは「味が変わった」と言われ続けるのか 買収をきっかけにSNSで批判が激化する「地域のソウルフード」だからこそのジレンマ

国内 社会

  • ブックマーク

ちょっとした自慢話

 フードサービスジャーナリストの千葉哲幸氏は「月刊食堂」(柴田書店)、「飲食店経営」(商業界)のライバル2誌の編集長を歴任したという経歴を持つ。

 外食記者歴40年というベテランの千葉氏は「資さんうどんに限らず、何かのきっかけを理由に店の『味が変わった』と主張する人は、恐らくその店の味を愛している常連客なのだろうと思います」と言う。

「というのも『味が変わった』という指摘は、ちょっとした自慢のニュアンスもあるからです。『私はこの店の味を愛し、長年通い続けてきた。そんな私が「味が変わった」と指摘するのだから間違いない』という意味も込められているはずです。さらに有名で人気のあるチェーン店の『味が変わった』という指摘には、やはり関心を持つ人が多いでしょう。『やっぱり!?』とか『そうなの!?』と反応する人が必ず存在するため、SNSに投稿すると反響が大きくなる傾向もあるのではないでしょうか」(同・千葉氏)

 担当記者は「本心から『うどんの味が変わってしまった』と感じた人もいる気がします」と言う。

ナポリタンうどん

「というのもXで『タブレットで注文する資さんうどんは資さんうどんではない』とか、『親切なおばちゃんの店員さんが辞め、アルバイトの人ばかりでさみしい』などと、チェーン化に伴う変化を嘆く投稿が散見されるからです。タブレットに違和感を覚えながら食べると本当に味も変わったように思えるのではないでしょうか。資さんうどんは10月下旬から、期間限定の『ナポリタンうどん』を関東と関西の一部店舗で提供を始めました。これも『ガストみたい』と常連客の不評がSNSに投稿されました。たとえダシや麺の味は同じでも、こうしたことで『味が変わった』と感じる人もいると思います」(同・記者)

 後編【「買収によって味が変わることはあり得ません」…資さんうどん「味が変わった」論争に専門家が断言 実際に「牛丼の味を変えた」吉野家は“倒産”の苦い過去】では、実際に味が変わって倒産に追い込まれた吉野家の事例や、千葉氏が「味は変わらない」と断言する理由について詳細にお伝えする──。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]