ついに日本でも「007」が誕生するか? 中国や北朝鮮は警戒モード…「諜報機関」新設への根強い反対論を前に「高市首相の腹案」
高市早苗総理が9月末に首相官邸で開いた「インテリジェンス(情報活動)機能の強化に関する有識者会議」の初会合で、対外情報力について「不可欠」と言明したことで「いよいよ海外で活動する、日本独自の諜報機関が誕生する」(政府関係者)との期待感が高まっている。国家情報局(NIA)が7月に新設されたことを受けて、自民党インテリジェンス戦略本部が8月、オシント(公開情報)やヒューミント(人的情報)、シギント(通信傍受情報)などを収集する情報活動のうち、スパイ小説をイメージさせるヒューミント活動を海外で実践する対外情報庁(仮称)の新設を提言しており、国会での論議が注目される。
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海外でのヒューミント収集
政府関係者によると、ヒューミントに関しては、2015年に国内で初となる対外情報の収集担当部署「CTU-J」を外務省に設置しているが、新設されたこの部門は、国際テロ情報に限定したユニットに過ぎない。映画の007シリーズで知られる英国の「MI6」(秘密情報部)や、米国の「CIA」(中央情報局)といった情報機関とは毛色が違う。
情報機関は政治、産業、軍事、社会情勢など対外情報全般を担当する。その中でも、機密情報の収集は、諜報活動やスパイ活動と呼ばれることから、水面下での活動にスポットを当てて「諜報機関」と呼ばれることもある。戦略本部では有識者会議での検討議題として、対外情報庁の設置を提言。高市総理が提言を踏まえて、対外情報機能の強化という具体的な方向性を示したことで「いよいよ日本にも諜報機関が誕生する」との期待感が政府部内で高まっているというわけだ。
そもそも情報機関が扱う情報は、2つに大別される。1つが国内で国家転覆を企図する、つまりクーデターを目論む勢力の情報。もう1つは敵対する外国政府の情報だ。具体的には前者は左翼や極左と呼ばれ、共産主義革命や社会主義革命を目指した団体や組織。後者は戦中の軋轢を抱える国家。たとえるなら北方領土を不法占拠中のロシアや、共産党(労働党)政権が支配する中国や北朝鮮ということになる。米国では、国内はFBI(連邦捜査局)、国外はCIA、英国なら国内はMI5(情報局保安部)、国外はMI6が担当している。
これを日本に当てはめると、国内は警察の警備部門(警備警察及び公安警察)と、法務省所管の公安調査庁(公安庁)、内閣直轄で国家情報局(国情局)の前身である内閣情報調査室があったが、実は国外で活動する専従機関は現在も存在しないのだ。
また、公安庁は定員1800人余、国情局は700人余に過ぎないことから、全国に30万人規模の警察職員(警察官と技官、事務職員)を抱える警察組織とは、マンパワーで格差がある。一方で海外に目を転じると、大使館や領事館などの在外公館には外務省、防衛省、法務省、警察庁から人員が派遣されているが、主要任務は出身省庁を代表してのものであって、対外情報活動全般は明文化されていない。
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