【王将社長射殺】無罪のウラに通称“3刑判事” それでも検察が一縷の望みをかける“当日の居場所”
曖昧な記憶
検察側の立証の柱となる間接証拠は悉く崩された格好となった。だが京都府警のOBは、一縷の望みはあると話す。
「法廷で最後まで示されなかったのが、事件当日の田中被告の居場所です。田中被告は事件に関することには口を閉ざしていたため、当日の居場所は弁護士にも明かしていないと思われる。弁護側の居場所に関する主張は、事件当日は妻子と暮らしていた福岡県にいた可能性がある、ということのみです。その根拠は、被告の妻の証言。これがきわめて曖昧でした」
田中被告の妻の曖昧な証言とは、弁護側証人として出廷したときのもので、
「被告の妻は、“(事件当日は)自宅からハローワークまで、子どもと一緒に夫が運転する車で送ってもらったかもしれない”と話しました。ですが、被告の妻がハローワークを訪れた記録はあるものの、妻自身は古い記憶がたどれず、夫である被告が車で送ってくれた事実を明言できなかった。子どもが乳児だったので日ごろからベビーカーを押していたことは憶えている一方、事件当日、ハローワーク内にベビーカーを押して入ったのか、あるいは夫が車内で子どもの面倒を見ていたのかという記憶がありませんでした」
つまり、事件当日に福岡にいた可能性を崩せるかもしれないのだ。
「かといって、その日、田中被告が京都の現場にいたことの証明にはなりません。しかし、弁護側の証言を潰すことができれば、控訴審までのあいだに、かつて事情を聴いた膨大な人のなかから、居場所特定につながる新たな証言が得られるかもしれない。捜査当局はいま、この点を重要視しています」
重大事件は、13年を経て振り出しに戻った。このまま無罪が確定すれば、真相は闇に葬り去られる。その事態はなんとしても避けなければならない。
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