【フランス大規模デモ】「デモ本来の人々とウルトラ左翼・ブラックブロックと略奪だけが目的の人々は違う」現地在住日本人ジャーナリストが指摘する“今後の懸念”

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略奪は移民の問題ではない

 報道で、暴徒と移民を単純に結び付けて説明しているケースがありましたが、それは間違いです。移民出身者が暴徒化して略奪している、移民は排斥せねばという流れで見ることは、フランス以外では確かに受け止めやすいかと思います。

 スラム化した郊外の団地から集まって来た若い世代が、略奪を行い暴徒化したのは、移民の問題ではなく、貧困と差別の問題が起点です。そこを見誤ると今回の略奪行為が、やっぱり移民は、と移民排斥の動きに利用されてしまう。確かに彼らは移民出身者の系譜ですがフランス生まれです。貧しいから、と差別するな、とこの機会に便乗して暴れた。だが、そもそも略奪は犯罪でしかありません。略奪はデモともなんら関係ないのに結びつけて報じられ、デモ本来の姿をゆがめてしまった。

 「デモが暴徒化したのではない」、「デモと暴動は全く別の現象」であることを、
「デモ本来の人々」「ウルトラ左翼・ブラックブロック」「略奪だけが目的の人々」の動きを挙げて説明してきました。

 今後懸念されるのは、「ウルトラ左翼・ブラックブロック」と「略奪だけが目的の人々」がお互いを利用する関係になることです。両者の行動の差は略奪をするかしないかです。「略奪だけが目的の人々」は、遊び気分、憂さ晴らしなのですから、暴れる機会があれば、主義主張、思想など全く関係なしに破壊も略奪もする。「ウルトラ左翼・ブラックブロック」にとっては、こうして社会の混乱が一層拡大し、体制を揺さぶることができればいいのです。

 デモは続いています。フランス内務省の推計では10月24日のデモには全国で41万人が参加。17日の推計55万人から減少しているとはいえ、依然大規模です。警察との衝突は起きたものの、破壊や略奪は小規模にとどまりました。来春のフランス大統領選挙に向けた動きも重なり、デモが早期に収まるとは考えにくい。

 略奪行為の背景に、若者が遊び気分で店を襲うのか、と唖然とされたかもしれません。デモに便乗し社会混乱を作り出そうとする人々の思考と行動も、想像を超えていたかもしれません。今回の出来事はフランス社会の現状を思いがけず浮かび上がらせました。フランス国民にデモ自体は理解され支持を集めていますが、破壊と略奪は支持も共感もされていないことを最後にお伝えしておきます。

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 前編では、「デモが暴徒化したのではない」「デモと暴動は全く別の現象」という事実や、デモに集まった「3種類の人々」について紹介している。

デイリー新潮編集部

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