NPB復帰なら大争奪も…「吉田正尚」に浮いては消える“トレード説”が今オフばかりは真実味を帯びてきた理由

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勝負強いバッティングには高評価が

「スタメンで起用された試合もありました。ベンチスタートとなった際は試合後半で、誰かに指示されたわけでもないのにバッティンググローブをはめて素振りを始めるなど、代打準備をしていました。その姿勢はボストンのファンも支持していました」(前出・同)

 また、4月17日のデトロイト・タイガース戦では延長10回に代打起用され、内野5人シフトの頭上を越える右前打でサヨナラ勝ちを収めている。当時のチーム状況は最悪だったが、その打開策として地元ボストンのメディアは「勝負強い吉田を使うべきだ」と主張していた。

「吉田の勝負強さは首脳陣も認めていますが、守備指標が平均以下の選手なので、スタメンで出場するにはDHしかありません。レッドソックスが吉田を獲得した22年オフは外野手層が薄く、出塁率の高い1番バッターを求めていましたが、今はそうではありません」(米国人ライター)

 レッドソックスのオフの補強ポイントは打線強化だが、それは吉田の出場試合数が増えることでは補えないものだ。チームが求めるのは、シーズンを通して30本塁打以上が期待できる大砲タイプ。今季のチームトップの本塁打数は、ウィルソン・コントレラス(34)の27本だ。チーム総本塁打数も163本で、これはア・リーグ15球団中12位。吉田のように勝負強いバッターも必要だが、優先順位は一発のある長距離砲のほうが上だと判断された。

「今オフの米フリーエージェント市場は、強打の外野手が少なく、シカゴ・カブスの鈴木誠也(32)が全体の5位にランクインされています。鈴木も好打者ですが、打線強化や『打てる外野手』を求めている球団は多く、吉田は売り時だと判断されたようです」(前出・同)

「吉田はまだやれる」と評価する球団もあるそうだが、彼の話題になると必ず出るのが、24年オフにメスを入れた右肩の話。昨季は開幕から負傷者リスト入り(IL)し、7月にチーム合流を果たしたものの、術後に外野守備についた試合は計13試合しかない。「吉田の右肩に問題がなければもっと出場機会は増えていたはずだ」と、トレード話に警戒する向きもあるそうだ。

 その関連だろう。こんなジョークも出たそうだ。

「ロサンゼルス・ドジャースの正左翼手のテオスカー・ヘルナンデス(34)も、実は守備難の選手です。ヘルナンデスもFAになりますが、右打ちのヘルナンデスと左打ちの吉田をツープラトンで使う話もありました」(前出・現地記者)

 吉田も侍ジャパンの同僚だった大谷翔平(32)たちがいれば、気持ちの上で楽になれるだろう。新オーナーを迎えたサンディエゴ・パドレス、ロサンゼルス・エンゼルスも「打てる外野手」を探している。米メディア「FanSided」は9月30日から何回かに分けてMLB30球団の退団選手を予想する特集記事を掲載してきた。そのなかには吉田の名前もあったが、

「これまで高額年俸がトレードのネックになってきた。レッドソックスが27年年俸の一部を負担するプランでも(トレードが)まとまらなければ、彼が移籍するのは5年契約が終わる来年オフになる」

 と厳しい見方もしていた。その一因として、12月1日で失効する労使協定の問題があり、同日までに選手会とオーナー側の話し合いがまとまらなければ、一切の契約交渉がストップするロックアウト状態となる。高額年俸の一部を負担すると言っても、どれくらいの割合をレッドソックスが負担するのかは不明だ。その割合も交渉のなかで決まるとすれば、時間の掛かるトレード交渉となり、吉田の移籍話はまとまらないというわけだ。

NPB帰還も?

 来季より、セ・リーグもDH制に移行するNPB球団への帰還説は、米メディアも「可能性」として報じていた。

「レッドソックスは、チーム総年俸を減らすコストダウンも考えています。それは、クレイグ・ブレスロウ編成本部長(46)も認めています」(前出・同)

 吉田の来季年俸は1860万ドル。日本円にして約28億円である。帰還の話が加速すれば大争奪戦は必至だが、レッドソックスには一部ではなく、そのほとんどを負担してもらわなければならない。新・労使協定の話し合いが決裂したら、吉田が試合出場の機会を得るのは28年シーズンとなりそうだ。