GMO脅迫の犯人像は「ネット上でイキってる素人」…晒された個人情報はデタラメ、脅迫サイトは閉鎖の意味…「未経験者がAI頼みで不正アクセスしてもボロが出る」

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売られているマニュアル

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「GMOという有名企業のセキュリティを突破した鮮やかな犯行内容と、その後の“プロっぽくない”数々の不可思議な行動は非常にギャップが大きく、確かに強い違和感を覚えます」と言う。

「私もプロのハッカー集団による犯行ではないと考えています。テレビのワイドショーなどでは『AIに不正アクセスを任せられる時代になった』との指摘が盛んですが、これはハッキングの現実とは異なります。というのも不正アクセスでAIを使いこなすには、まさにプロのハッカーレベルの経験や知識が必要なのです。特にAIにハッキングを任せるのは非常にハードルが高く、未経験者がAIに助けられながら実行できるような犯罪ではありません。さらにGMOはセキュリティに関して『やるべきことはやっていた』状態でした。普通であれば不正アクセスは非常に難しかったはずなのです。では、なぜプロではない連中が犯行に成功したかと言えば、マニュアルを購入したからでしょう」

 井上氏によると、ダークウェブではハッキングのマニュアルが販売されているという。

「今では中学生でも相当なITスキルを持つ者が珍しくなく、ダークウェブに出入りしている未成年者も目立ちます。ところが不正アクセスを実行し、個人情報を盗み、企業を脅迫し、個人情報を悪用する、という一連の犯行を実行するには、膨大な仕事量が必要なのです。ここがポイントになります」

犯人は“イキっている”連中!?

 井上氏はさらに「たとえマニュアルを精読しても単独犯は無理です。そのためダークウェブなどで仲間を集める必要があります」と言う。

「今回の事件も複数犯である可能性は高いわけですが、いわば“ネットの世界でイキっている連中”がダークウェブで犯行グループを結成し、マニュアルに従ってGMOをハッキングしたのではないでしょうか。不正アクセスはマニュアルの力で成功したとしても、企業に対する脅迫、身代金の要求、犯行声明文の作成、という犯行は自分たちで行う必要があります。そこで経験の浅さが浮き彫りになってしまった。複数の専門家が“素人の犯行”と感じた理由だと考えます」

 犯人側が公開した個人情報が「ほとんどデタラメ」と一蹴された問題には“傭兵”の存在も考えられると井上氏は指摘する。

「たとえ4、5人でハッカー集団を結成したとしても、犯行を実行するには10人以上の人手が必要だと言われています。そのためハッキングを手伝う日雇いのアルバイトがあり、ダークウェブで募集されます。ハッカー集団が応募者のスキルを把握し、様々な仕事を割り振っていくわけです」(同・井上氏)

“傭兵”の適当な仕事

 井上氏は「ハッカーの世界も、いわゆるトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)と極めて類似した“リクルーティング”を行っているわけです」と言う。

「ところが、こうした“傭兵”はいい加減な仕事を適当にこなし、報酬を受け取ると逃げてしまう者も少なくありません。例えば個人情報を盗むアルバイトを担当していた“傭兵”が、他の場所から入手した個人情報を“雇用主”に送ったとしても不思議はありません。これこそがGMOを襲った犯人グループが恥をかいた理由という可能性もあるのではないでしょうか」(同・井上氏)

 註:公開された情報と氏名など同一の人物、GMOクラウドサービスの利用「一度もない」(読売新聞オンライン:10月27日)

デイリー新潮編集部

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