ロシアで拘束された“日本人記者”を救う術はあるか…危機管理のプロが「高市総理、肝っ玉母さんになって!」と訴える理由

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伝わってこない危機感

 国家というのは、国民の生命と財産を守る義務を負っている。したがって、国家の長たる総理大臣も、同じ義務を負っていると自覚しなければならない。高市総理は折に触れて「働いて、働いて、働いていく」と、自らの労働の量をアピールしてきた。このあたりで質への転換も必要だろう。ならば、「私がイマイ記者を取り戻すために、ロシアへ行く交渉をしていくつもりだ。私は全ての国民の母なんだから」と宣言するのも一手だ。小泉総理が2002年10月に、北朝鮮の拉致被害者を救出しに行った前例もあるのだから。
 
 高市総理と言えば、10月14日の衆院予算員会での「男性の総理大臣よりは、3、4時間、余分に時間を使っているかもしらんな、という気がします」との発言が取り沙汰された。初の女性総理が、働く女性の苦労について触れたわけだが、一方で、高市総理の危機管理を見ていると、少々、母性が足りないように思えてならない。簗前農水大臣の“予算カット発言”が問題になった時、実の母親ならば「仕事で返せ」とは言わない筈だから。息子への風当たりが強くなって、傷口を広げてしまうことを懸念して。「ダサい」なんて言葉を使わず、「未熟としか言いようがありません」「私がしっかり叱ります。まずは辞表を提出させて」と言うだろう。肝っ玉母さんならば。

 事は一刻の猶予も許されない危機管理の事案だが、高市総理を含めた政府の要人からは危機感が伝わってこない。ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、日ロの関係は冷えきっているにもかかわらず。このままでは、イマイ記者の帰国は遠のくばかりだ。米国に多額の投資を約束した日本なのだから、赤沢大臣から盟友のベッちゃん(ベッセント財務大臣)に依頼してはどうか。ロシアのプーチン大統領と近いトランプ大統領に、釈放を後押ししてもらうように。ノーベル平和賞を欲しくて仕方がないトランプ大統領にとっても、決して悪い話ではないのだ。

 高市総理がアメリカの頑固親父を動かしたら、国民は拍手喝さいを送るに違いない。そして、国民は高市総理に肝っ玉母さんの姿を重ねて、支持率を更に“高い位置”に押し上げるだろう。

 新潮QUEで配信中の記事【永田町は危機管理のガラパゴス 簗農水相辞職で企業が学ぶべきこと】では、高市氏が傷口を最小限に抑えるために本来取るべきだった行動、そして政界の危機管理が約40年前の「リクルート事件」から進歩していないと言える理由について、危機管理コンサルタントの田中辰巳氏がさらに詳しく解説している。

デイリー新潮編集部

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