「面白みがない」と酷評された「和久田麻由子」に再評価の兆し…売れっ子「有働由美子」には疑問の声も

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山里もCM出演

 もっとも、CMに出演しているキャスターが有働アナ以外にいないわけではない。日本テレビ「DayDay.」(平日午前9時)の山里亮太(49)は、食器用洗剤や菓子のCMなどに出演している。

 山里はお笑い芸人だが、番組では政治や事件について、かなり踏み込んだ発言をしており、紛れもなくキャスターだ。「お笑い芸人だからCMに出る」とは言えないはずだ。

 万一、自分の広告主が不祥事を起こしたとき、山里は普段通りに批判できるのだろうか。視聴者に疑念を抱かせずに済むのか。

 キャスターの報酬は高い。それはCMに出演できない代償も含まれているからだと言われてきた。だが、テレビ局の経営状態が悪化し、高額報酬を支払うのが難しくなっている。これも、一部のキャスターがCMに出演する理由の1つかも知れない。

 テレビ界の信頼度は落ちている。総務省の2018年の調査によると、テレビが信頼できると答えた人は63.6%だった。これが24年には58.2%に落ちた。テレビ界が国際的な常識すら守ろうとしないことも理由ではないか。

 一方、NHK退局から半年しかたっていない和久田アナは、あらゆる批判を浴びたのではないか。「アドリブができない」「トークに面白みがない」「親近感が湧かない」。

 すべては、キャスターを務める日テレの報道番組「追跡取材 news LOG」(土曜午後10時)の個人視聴率が、低かったことが理由だ。やはりテレビは視聴率である。

 4月25日の初回は2.1%。安住紳一郎アナ(53)がキャスターのTBS「情報7daysニュースキャスター」(土曜午後10時)は6.0%だったから、ほぼトリプルスコアだった。

 その後の数字はあまり関心を持たれていないようだが、10月16日の「news LOG」は2.9%にまで上がっている。「ニュースキャスター」は6.1%と相変わらず強いが、同時間帯で2位なのである。テレ朝のドラマ「あにいもうと」(土曜午後10時)、NHKの同「おもかげ」(同)の数字をかなり上回った。少しずつだが、視聴習慣に変化が見られる。

 この半年、和久田アナはミスを犯しておらず、NHK時代と同じく、安定している。「面白みがない」と責められるが、この人はずっとつまらなかった。そんなことは日テレも分かっていた。和久田アナに面白さを求める人は少数派ではないか。

 和久田アナの状況は、2006年にNHKを退局し、現在はTBS「サンデーモーニング」(日曜午前8時)の総合司会を務める膳場貴子アナ(51)の民放移籍当初と似ている。膳場アナは同年から報道番組「筑紫哲也 NEWS23」のサブキャスターを務めたが、評判は散々だった。

 期待が大きかったことや、報道番組ではトークに制約があることが背景にある。膳場アナの高い評価が固まったのは、2016年に「報道特集」(土曜午後5時半)を担当してからだろう。この人もずっとつまらないが、やはり面白さは求められていない。ギャグを言ったら、おそらく滑る。

 膳場アナと和久田アナは、東京・女子学院中高、東大、NHKの先輩と後輩。アナとしてのタイプもよく似ている。2人に共通する強みは信頼度の高さと知性である。民放アナは軟派番組もやらなくてはならないこともあって、こうした強みを得るのが難しい。

 和久田アナは膳場アナと同じような道を歩むのではないか。日テレの大きな報道番組を担当し続けると見る。

 アナは面白くなくてもいいのである。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社。放送担当記者・専門委員として、1994年のNHK連続テレビ小説「春よ、来い」のヒロイン途中交代や、1999年のフジテレビ「愛する二人別れる二人」のやらせ問題などを特報する。2015年に毎日新聞出版へ入社し、サンデー毎日編集次長を務める。編集者としては「小池百合子都知事の真実」などを担当した。2019年に独立。元・放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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