高市首相の“経済ブレーン”間に確執…「アベノミクス立役者」が「サナエノミクス指南役」を批判するワケ

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本田氏に真意を問うと

 本田氏に投稿の真意について尋ねると、

「私は会田氏の考えを全面的に否定しているわけではありません。アベノミクスのおかげでデフレから脱却した今、生産性を向上させるために財政支援を行うことは重要です。しかし“国債は返さなくてよい”などといった彼の極端な主張は、米財務省や投資家の間に懸念を生みかねません」

“高市政権の経済アドバイザー”としてユーチューブ番組にたびたび出演する会田氏は、今年に入って書籍も立て続けに出版。4月に発売された著作『サナエノミクス 高市成長戦略』の帯では「サナエノミクスの指南役」と紹介された。

 そんな彼と高市首相をつないだ人物として名前の挙がるのが、城内経済財政相だ。

「会田氏を政権内に引っ張り込んだのは城内大臣だといわれています。実際、4年前に設立され、城内さんが顧問を務める『責任ある積極財政を推進する議員連盟』の勉強会で、私と会田氏は共にアドバイザーを務めていました。当時から、彼には理論的に鋭い面がある一方、話す内容や表現には疑問も多かった。でも城内さんは、彼のことを気に入っておられたようです」(同)

 昨年11月にスタートした成長戦略会議はこれまで計8回開催。その席で会田氏は繰り返し、「国内投資活性化」(昨年11月の第1回会合)や「官民連携の戦略投資」(翌月の第2回会合)の必要性を説いてきた。そして、高市内閣が370兆円規模の官民投資を推し進める方針を発表したのは今年6月のことである。

一方の会田氏は……

 会田氏に取材を申し込むと、最初、戸惑いの色を見せながらもこう答えた。

「本田さんのXの投稿については、正直なところ、なぜ批判されているのか……、私にもよく分かりません。また高市首相が“積極財政から後退した”との見方もあるようですが、私はそうは思いません」

 会田氏によると、積極財政の意味するところが重要で、高市政権はバラマキによって消費(需要)を押し上げるのでなく、投資によって供給を増やすことに主眼を置いているのだといい、

「私が高市政権の経済政策に関わるようになったのは、首相や城内経済財政相と基本的な問題意識が同じだったからです。それは、日本経済の停滞は人口動態の悪化(少子高齢化)などによる宿命ではなく、国内投資の不足という意思の問題だということ。だからこそ、サナエノミクスは『投資の拡大』を掲げ、それによって日本経済の再生を目指しているのです」(同)

 意気軒昂な会田氏に対し、前出の本田氏はこんな懸念を口にする。

「高市総理は、議論するよりご自分で深く勉強されるのがお好きのようですが、さまざまな専門家の意見にも幅広く耳を傾けていただきたいと思っています。わが国の経済がデフレ的状況から通常の経済に移行する転換点を迎えている今だからこそ、より強くそう願います」

 さらに首相が経済や会田氏の主張をどこまで理解しているかは不明としながらも、

「経済政策はデータに基づくものでなければならず、単に物価上昇率を見るだけではなく、為替の変動や国際政治状況なども含めて多角的に分析し、国民に説明する責任があります。さもなくば、国民や投資家の不安は消えないでしょう」(同)

 ブレーン同士のかんかんがくがくの論争は大歓迎。ただし、その混乱が政策に影を落とさないことを祈りたい。

週刊新潮 2026年10月29日・11月5日号掲載

特集「『意固地』高市首相が払う代償 ビールパーティーで抽選会 『武部新』新農水省の公選法違反疑惑」より

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