工藤監督は「根尾昂」を再生できるか? 「投手として大きな伸びしろがあるとは言いづらい」と中日OBは厳しい指摘…「工藤体制で生存競争は激化し、成績次第では厳しい判断が下される」
前編【「来年もユニフォームを着られると思うなよ」 闘将・星野仙一氏の檄に通じる中日「工藤新監督」訓示の意味 OB投手は「星野さんに負けず劣らずの厳しいメッセージに感じた」】からの続き──。中日の選手に対し「戦う集団ではない」という厳しい批判がある。60勝81敗2引分、勝率4割2分6厘の最下位でシーズンを終えたにもかかわらず、9月21日にバンテリンドームで行われた最終戦セレモニーでは一部の選手がガムを噛みながら談笑していたのだ。(前後編の後編)
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10月15日、新監督に就任した工藤公康氏は「戦う集団ではない」中日の選手たちに対して初めて訓示を行った。
「この世界で1年でも長く、プロの世界でやっていくために、自分たちに何が必要なのかっていうのを考えてほしいです」
野球解説者の前田幸長氏は中日OB。1988年のドラフトでロッテから1位指名を受けてプロ野球の世界に入り、95年のシーズンオフに星野仙一氏が監督に復帰する中日にトレードで移籍した。
ちなみに前田氏は2001年のオフでFA権を行使し、巨人に移籍した。当時、巨人の投手陣では工藤氏が存在感を放っており、前田氏は「工藤さんからは多くのことを学ばせてもらいました」と振り返る。
さらに前田氏は野球解説者として福岡の地元テレビ局で解説を担当しており、ソフトバンクの監督を務めた工藤氏は重要な取材相手の1人だった。
前田氏は工藤氏の訓示から、星野監督が常に「来年もユニフォームを着られると思うなよ」と選手に厳しい言葉を浴びせていた姿を思い出したという。
なぜなら工藤新監督が選手に伝えたかったメッセージも同じ内容だと考えるからだ。前田氏によると、工藤氏は「これから激しい生存競争が始まります。生き残るためには何をすべきか考えてください」と選手に“予告”したのだという。
生存競争のスタート
訓示を行う工藤氏の口調は、表面的には優しいトーンだった。しかし実は、「1年でも長くプロの世界でやっていく」ために苛酷な競争を勝ち抜けと檄を飛ばしたのだ。
ここで浮上するのが根尾昂だ。今シーズンは1軍のセットアッパーとして好投を見せた試合もあったが、調子を落として5月に登録抹消。2軍でも大量失点が目立ち、2軍の成績は0勝3敗1セーブ、防御率は7・86だった。
200勝投手の工藤氏は名球会の会員。そんな名投手が新監督としてどう根尾を“再生”させるのか、今から楽しみな野球ファンも多いだろう。
だが前田氏は「あえて厳しいことを指摘しますが、根尾選手の未来に僕は悲観的です。彼が伸び悩んでいるのは、何よりも中日フロント陣の責任が大きいと思います」と言う。
「そもそも二刀流を目指せる選手でないことは入団前から明らかでした。誰だって大谷翔平選手との差は分かっていたはずです。にもかかわらず、中日のフロント陣は話題や興行を考えて二刀流を強引に推し進めました。その結果、バッターとしてもピッチャーとしても実績を残せない、中途半端な選手が生まれてしまったのです」
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