認知症になった夫を支える「41歳年下妻」の奮闘…実は、“夫”は「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」の演出も手掛けた“伝説的な漫画家”だった

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「旦那さんはこれからゆっくり記憶をなくしていきます」

 そんな“伝説のマンガ家”と〈りも〉さんの出会いは、マンガ専門学校での、講師と生徒としてだった。〈りも〉さん18歳、真崎さん59歳だった。

「教え方が具体的で、しかも情熱的。大人気の“カリスマ教師”でした。生徒と同じ目線で、地べたに座って世の中を見るようなものの考え方をするひとでした。よく『俺が教えるんじゃなくて、生徒が教えてくれるんだ』と言ってました」(恋池りもさん)

“センセー”しか目に入らなくなっていた〈りも〉さんは、卒業後、真崎さんの自宅近くの町に引っ越す。そして、引きつづき指導を受けているうちに、次第に親しくなる。真崎さんは、夫人とはもう20年も別居中だというので、空いている部屋に下宿という形で入り、大家と下宿人の関係となる。

 マンガ『だからわたしは~』では、その時期の楽しい生活が、ユーモアたっぷりに描かれている。料理が上手だったり、カラオケ好きになって愛唱歌リストをつくっていたりと、“伝説のマンガ家”としては意外と愛らしい姿も描かれる。マンガ家として行き詰まった〈りも〉さんへのアドバイスも、さすがは大ベテランだけあって、“生き方”指南ともいえる励まし方だった。

 そして先述のように28歳の時に正式に入籍するのだが、案の定、周囲は、単純に祝福はしてくれない。両親のもとへ2人であいさつに行けば……この先は、マンガでお読みいただきたい。

 そして結婚して3年後――真崎さんに不審な言動が目立ち始める。言った言わないの口論。風邪をひいたので寝込んでいると、突然、「メシはどうした」と怒鳴りこんでくる……。病院で検査を受けると、アルツハイマー型認知症との診断だった。医師は「旦那さんはこれからゆっくり記憶をなくしていきます。友人のこと、仕事のこと。おそらくあなたのことも忘れていくでしょう」と、平然と伝える。

【後編は「『バッシングのおかげで強くなれたと思う』 41歳年上の夫を介護する漫画家に、日本一有名な『年の差カップル』の妻が授けた金言」】

森重良太(もりしげ・りょうた)
1958年生まれ。週刊新潮記者を皮切りに、新潮社で42年間、編集者をつとめ、現在はフリー。音楽ライター・富樫鉄火としても活躍中。

デイリー新潮編集部

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