織田翔希の米国挑戦は序章にすぎない? 大阪桐蔭の「154キロ左腕」ら、メジャー球団が狙う“次のドラフト1位候補”

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アメリカ行きで相当好条件

 メジャー球団の関心は高校生にとどまらない。大学生で高い評価を受けているのが、百合沢飛(関西大・投手)である。

 百合沢は開星高校時代、全国的には無名の存在だったが、関西大への進学後に才能が開花。今年6月の全日本大学野球選手権では4試合、計13回を投げて18奪三振と好投し、チームの日本一に貢献した。

 身長190cm、体重97kgの恵まれた体格は川本と比べても遜色がない。コンスタントに150キロ前後を計測するストレートには勢いがあり、大型左腕ならではのスケールの大きさが際立つ。

 メジャー球団のスカウトは、百合沢の投球フォームにも注目している。

「長身で下半身が沈み込むことがなく、倒れこむようにして投げるスタイルで、日本よりも硬いアメリカのマウンドにも対応しやすい投げ方だと思います。長身で手足が長くても持て余すことなく操作性も高い。制球に関しても着実にレベルアップしているように見えます。アメリカ行きを希望すれば、相当好条件になると思いますね」(MLB球団スカウト)

 秋のリーグ戦はチーム事情からリリーフでの起用が中心となった。それでも9試合に登板し、5勝0敗、防御率1.78という好成績を残している。

 来年の大学生投手では目玉候補の一人となりそうだ。仮に米国挑戦を選択すれば、ドラフト戦線への影響は小さくないだろう。

 さらに、メジャー球団の調査は再来年以降のドラフト候補にも及んでいる。すでに注目を集めているのが、芹沢大地(ヤマハ・投手)だ。

 芹沢は愛知県立高蔵寺高校時代から注目を集めていた本格派サウスポーで、3年時にはU18侍ジャパンの強化合宿にも招集された。プロ志望届を提出すればドラフト1位指名の可能性もあるといわれていたが、体力面の課題などを考慮し、ヤマハへの入社を選んだ。

 社会人1年目の今年は体力強化を優先しており、公式戦の登板機会は多くない。それでも150キロを超える球速をマークし、ポテンシャルの高さを十分に示している。

 NPBのドラフト指名対象となるのは2028年。まだ2年先の話だが、すでに多くのメジャー球団のスカウトが視察に訪れているという。

田沢純一を上回る評価も

 思い起こされるのが、田沢純一のケースだ。

 新日本石油ENEOS(現・ENEOS)に所属していた田沢は、2008年にNPB球団からのドラフト指名を断る意向を会見で表明。後にレッドソックスと契約し、大きな話題となった。

 芹沢は、当時の田沢を上回る評価を受けてもおかしくない逸材だ。順調に成長を続ければ、再来年のドラフトを前に、進路が大きな注目を集めることになるだろう。

 日本の有望なアマチュア選手がNPBを経ずに渡米すると、「日本球界の危機」と受け止める声が上がる。しかし、最終的な目標がメジャーリーグであれば、NPBを経由することだけが選択肢ではない。

 川本、百合沢、芹沢の3人が今後どのような成長を遂げ、どんな進路を選ぶのか。織田の決断は、決して一過性の出来事では終わらないかもしれない。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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