妻が家に連れてきた21歳女性に「寝たって言う」と脅されて…深夜の呼び出し、秘密を重ねる58歳夫の壊れかけた家庭
どこかで見た瞳
特に自己主張が強いわけでもなく、ごく普通の子に見えた。勉強が終わると一緒に食事をして帰っていくのがパターンだったが、あるとき佐保さんが作り置きの惣菜を由希さんにもたせようとして「あなた、送っていってあげてよ」と言った。
「わかったと返事をして由希を見ると、どこかで見た瞳だった。ああ、エリカだと思い出しました。由希の目も碧だった。もちろん、エリカとは縁もゆかりもない子です。だけど、持っている資質がエリカに似ていたんでしょう」
由希さんのアパートに着くと急にトイレに行きたくなった。このあたりにコンビニか公園がないかなと尋ねると「どうして」と言われ、トイレに行きたいと正直に告げた。
「うちで入ればいいじゃないと由希に言われ、切羽詰まっていたので借りました。トイレから出てくると、由希が日本茶を入れてくれていた。彼女は『ねえ、景太郎さん、踊りに行かない?』と言うんです。踊りにってどういうことかと思ったら、昔ながらのディスコに行ってみたいと。佐保も誘って行こうかと言うと、『私は景太郎さんとふたりで行きたいの』と。戸惑いましたね。でもエリカに似た目で見られると抵抗できなかった」
保護者としてつきあったつもりが…
数日後、ふたりはかつてのディスコを再現したクラブへ出かけた。彼自身、ディスコには数回しか行ったことがないから、あくまで由希さんの保護者としてつきあったつもりだった。だが、それを機に、由希さんはいろいろなところへ行きたがった。
「ちょっとディープなフェチバーとかストリップとか、いろいろ希望があったみたいで。娘がそう言ったらダメと言えることも、由希に言われると言いなりになってしまう。もちろん、由希とは男女の関係などまったくありません。だけど、彼女の希望をかなえてやりたい気持ちがあふれてしまって」
由希さんはエリカさんのように、風の吹くまま気の向くままにふらふらするタイプではなかった。子どものころから親が大げんかをしたり口をきかなかったりと不安定な家庭に育ったため、人の愛情を試さないといられないところがあったのではないかと景太郎さんは言う。そのターゲットにされたのが彼だったのだ。
「それがわかっているのに、僕は由希に振り回されるのが楽しかった。由希はときどき、夜中に電話をかけてきて『今すぐ、迎えに来て』と言ったりもする。無理だよというと、『じゃあ、佐保さんに景太郎さんと寝たって言う』などと脅迫してくる。佐保との間に誤解が生じるのは嫌だから、僕はその脅迫に屈して、深夜に車を出したりもしました。佐保には仕事で問題が勃発して、今すぐ会社に行かなければいけなくなったと嘘をついた。それまで嘘などついたこともないのに」
[3/4ページ]

