妻が家に連れてきた21歳女性に「寝たって言う」と脅されて…深夜の呼び出し、秘密を重ねる58歳夫の壊れかけた家庭
【前後編の後編/前編を読む】58歳夫の人生に刻まれたのは、妻ではない“碧い目の女性” 合鍵を渡した奇妙な3年間…ある朝「あの女、出て行ったわよ」
25歳のころ、角田景太郎さん(58歳・仮名=以下同)はパブで働く18歳のエリカさんと出会った。深い緑色の瞳をもち、美術に詳しく、何週間も姿を消したかと思えばふいに戻ってくる。景太郎さんには大学時代からの恋人がいたものの、エリカさんに合鍵を渡し、彼女が気ままに部屋へやって来るのを待つようになった。ところがエリカさんが泊まった翌朝、彼が目覚めると姿はなく、代わりに恋人が部屋に座っていた。結局、景太郎さんはふたりの女性を一度に失うことになった。
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【前編を読む】58歳夫の人生に刻まれたのは、妻ではない“碧い目の女性” 合鍵を渡した奇妙な3年間…ある朝「あの女、出て行ったわよ」
その後、彼は多忙な部署に異動となったのを機に、仕事漬けの日々が続いた。エリカさんのことは常に頭にあったが、たまに例のパブに行っても姿は見えず、いつしか彼女の名前が店内で上がることもなくなっていた。
「34歳のころ、友人に紹介された女性と半年ほどつきあって結婚しました。落ち着いた素敵な女性で、こういう人と家庭をもったらうまくいくのかなと思って。母親からネグレクトされていた話をしたら、彼女は目に涙をいっぱいためて聞いてくれた。それを見て僕もなぜか涙が止まらなくなったんです。ああ、そうか、僕は悲しかったのかと自分でも初めて感じました」
まるごと自分を受け止めてくれた、2歳年下の佐保さんに彼は家庭を任せた。2年後には息子が生まれ、さらに2年後に娘もできた。これが一般的な「幸せな家庭だ」と景太郎さんは思った。もしかしたら、自分にそう言い聞かせたのかもしれない。
「佐保とは話し合って、子どもが小さいうちは家にいてもらうことにしました。彼女自身、キャリア志向ではなかったし、家で子どもに自分の手でおやつを作りたいというタイプだったから、お互いに異論はなかった。妻は気分にムラのない人だから、それはありがたかったですね」
「おしどり夫婦」として近所でも有名に…でも“ふり”だった
同僚が「今日は妻の機嫌が悪くてさ」と愚痴を言っているのを聞くと、景太郎さんは不思議に思ったという。佐保さんは理由なく機嫌が悪くなるようなことはなかった。困ったことも不満に思っていることも、やんわりと、だがきちんと伝えてくれた。
「このところ子どもたちの世話で疲れ切ってるのと言うこともありました。週末までがんばって、そうしたら僕が2日間めんどうみるよと僕も素直に言えた。実際には、彼女が週末、子どもを放り出してひとりで出かけるようなことはありませんでした。たまには美容院に行っておいでよと僕が言えば出かけていくけど、結局、近所の美容院に行ってすぐ帰ってくる。彼女にとって子どもたちがいちばんだったんでしょうね。そしてそんな佐保が僕には好ましかった」
いつしかふたりは互いに信頼しあっていた。そして仲のいい夫婦として近所でも有名だった。子どもたちが中学生、高校生と成長していくにつれ、夫婦はふたりで出かけるようになった。佐保さんがかつてテニスをやっていたと知り、ふたりでテニスをしたこともある。
「楽しかった。他のご夫婦とも知り合って一緒にテニスをしたり食事に行ったりもした。ただ、僕はそういう生活を楽しんでいる“ふり”をしているとあるとき気づいたんです。やっぱり僕の頭と心にはエリカが棲みついていた。あのときほどの穏やかで楽しい気持ちを結婚後に抱いたことはありませんでした」
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