国連側報道官も日本マスコミに「いい加減にしろ」と…92年「自衛隊PKO派遣」をワイドショーネタにした現地取材班の「国辱的行状」
UNTACの報道官も激怒
別の特派員氏は、こんなエピソードも披露する。
「1カ月ほど前、UNTACのフォールト報道官が、日本の報道陣に対して“いい加減にしろ”と怒鳴ったことがあった。日本の報道陣が明石代表やUNTACの日本側関係者や国連の職員に押しかけて、随分無礼な取材をやったらしい。UNTACの部屋に勝手に入ったり、明石代表のオフィシャルな時間以外は全部独占してインタビューしたりで、勝手放題だった。欧米のプレスから不公平だとクレームが来て、ついに報道官まで怒ったということなんですよ。
いま、AP通信が2、3週間ほど前から2人のチームで、日本の報道陣に対する“取材”をやり始めましたよ。いったい何しにやってきたのか、取材の目的と内容は何か、この異常な過熱ぶりについてどう思うか、ということを日本の報道陣に取材して回っています。彼らにとっては、日本のマスコミがそれほど異常に映るんでしょうね……」
激戦区から命がけで報道してみろ
通信社出身の外交評論家・田久保忠衛氏(杏林大学教授)はこう嘆く。
「これはもう国辱です。カンボジアにおいて日本の報道陣の騒ぎぶりはまるでサーカスのようだとまでニューヨーク・タイムズ紙に書かれていますが、まさに“恥知らず”の一語ですよ。他国に比べて遅れに遅れたPKO派遣がやっと実現したと思ったら、今度は報道陣が世界に恥をさらす。
渡辺史遍陸士長の話(※前編参照)など、国際社会における報道人としてのモラルに欠けているとしか言いようがない。ポル・ポトに命が狙われるということがなにもわかっちゃいないし、日本国内の社会ネタの感覚でそのまま行っているんです。これは記者というより、送りこんだ編集責任者の見識の方も問われるべきですよ」
そして田久保氏はこうもつけ加えた。
「もしお祭り騒ぎをするぐらいなら、ポル・ポトの激戦区に飛び込んで命がけで報道してみろと私は言いたい。現にベトナム戦争の時は、サイゴンの特派員が取材に行って何人もが命を落としているじゃありませんか。せめて、そのぐらいやってみろ、と言いたいよ」
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「この記事は母や弟の命にもかかわってくる」と震えながら訴えた――第1回【押し掛けた「日本マスコミ」200人超に米紙も呆れた…92年「自衛隊PKO派遣」取材で繰り広げられた“ワイドショー演出”と“ジャパン・マネーばら撒き”】では、田久保氏が言及した渡辺史遍陸士長の一件をなどを伝えている。
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