日本の10代・20代に“大麻が蔓延”も、ヤクザが密売から手を引いた理由…「厳罰化されて割に合わない」「SNSを使えばどっからでも簡単に手に入りますからねぇ」
昨年の大麻(マリファナ)事件での検挙人数は過去最多で、警察庁のまとめによると、検挙された者のうちの約70%が30歳未満の若者層であった。若い世代への大麻の蔓延は、すでに大きな社会問題となりつつある。2025年11月には、熊本県内の中学生が、路上で職務質問を受けた際に所持品の中にあった大麻が発見されて現行犯逮捕されている。【藤原良/作家・ノンフィクションライター】(前後編の前編)
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【写真を見る】薬物に関しては「うちの子に限って」とは考えないで…若者に蔓延する大量の“脱法”大麻グッズ。パッケージは外国製のお菓子のようにしか見えないが
今年7月には、宮城県仙台市内の中学3年生の男子が、自宅に乾燥大麻約1・263グラムと使用器具を隠し持っていたことで逮捕され、全国の教育機関や法曹界にも大きな衝撃を与えた。
薬物事犯全体の中でも大麻の検挙数は、2023年から25年まで3年連続で覚醒剤の検挙数を上回っており、日本国内で大麻の所持使用が急激に広まっていることが窺える。
こういった乱用状況に先立って、2023年12月には、すでに大麻取締法が厳しく改正(改正大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法)されていたことが、検挙や摘発件数の増加に結びついていると指摘する専門家もいる。
一方で、前出の宮城県内で逮捕された中学3年生の事例でいえば、SNSを通じて売人と連絡を取り合って、たやすく大麻や使用器具を入手できていた。となると法改正の影響だけでなく、大麻やマリファナの密売現場に於けるSNSの急速な浸透もその大きな原因と見たほうが賢明だ。
つまり、SNSの弊害は、長年にわたって社会問題になっている特殊詐欺だけでなく、日本全国に「大麻(マリファナ)の新たな販売網」も生み出していたことになる。
違法薬物は、言うまでもなく裏社会の産物で、その精製から販売までを「裏社会のプロ」が取り仕切っているという世界共通認識がある。そうした旧来型の薬物密売の構図が、SNSの普及によって大きく、そして急速に変貌を遂げているわけだ。
大麻から手を引く暴力団
日本では薬物密売というと、どうしても暴力団の専売特許に見られがちだが、近年では、特に大麻の分野については暴力団の影響力が弱まっているという話も各方面から聞こえてくる。
某暴力団幹部によると、
「今じゃSNSを使えばどっからでも簡単に手に入りますからね。種を仕入れて自分で育ててる奴も増えたんじゃないですか? 昔は、(大麻やマリファナを)欲しい客はこっち(暴力団)を目がけて向こうから“売ってくれ”と飛びついて来ましたけど、今はもうそういう奴はいなくなりましたよ」
と話す。やはり、SNSの影響力は絶大なようだ。
また、法改正については、大麻やマリファナの使用者たちに対してよりも、密売者への影響のほうが強まっているという実状も伺えた。
「法改正は大きかったですね。前は、覚醒剤で捕まるよりも大麻は刑罰が軽かったんで気楽に扱えていましたが、もう同じところまで格上げされましたから。所持でも使用でも7年から10年は刑務所送りにされるでしょ。なのに(大麻の取引販売価格は)覚醒剤より安い。儲けが薄いのに捕まったら覚醒剤と同じってなると、リスクだけが大きいわけでそんなの触り損でしょ」(某暴力団幹部)
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