「基準内の摂取量でも、がんリスク増大!」 食べてはいけない「六つの食品添加物」
【前後編の後編/前編からの続き】
最新研究で明らかになった、がんの発症率を上昇させる6種類の“問題添加物”について、内科医で医学博士の大西睦子氏が解説する。
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前編では、食べてはいけない「六つの食品添加物」について紹介した。
前編で紹介した研究結果からは、非常に興味深いことがいくつか読み取れます。まず、「保存料全体」の摂取量の多寡はがん発症との関連がなかったのに対し、「個別の保存料」の摂取では関連が出たことです。これまで、個別の保存料について詳細にがんの発症率を調査した研究はほとんどありませんでした。というのも、保存料は商品によって含まれる種類も量も異なるからです。
例えば、従来の食事調査では、「ハムを何グラム食べたか」までは分かっても、「どの商品を食べ、その商品にどんな保存料が何ミリグラム入っていたか」までは把握できませんでした。同じハムでも、商品Aと商品Bでは保存料の種類や量が違う可能性があるからです。そのため、個別の保存料の実際の摂取量と、その後のがん発症を結び付けることが難しかった。
この問題を解決するために、今回の研究チームは、商品名を含めた詳細な食事記録を参加者に定期的に提出してもらい、しかも商品のリニューアルまで考慮に入れて、保存料の摂取量をはじき出しています。商品には何の保存料が入っているかは開示されていても、量までは表示されていないので、複数のデータベースに加え、主要な商品は独自に実験室で分析し、摂取量を推計しています。
ほとんどの人が基準内の摂取量だったが……
がんの発症についても、参加者からの報告だけでなく正式な医療記録を確認、公的医療保険データや死亡登録とも照合する念の入れようです。こうした調査を、約10万5000人を対象に、平均7.6年間追跡して行ったのです。
それでも、「保存料を多く取る人は不健康な生活を送る傾向にあるから、そもそもがんになりやすいのではないか?」という疑問は残ります。そうした別の要因で、結果に影響を及ぼす可能性のあるものを「交絡因子」と言い、通常、交絡因子が結果に影響を与えないよう調整し、統計上の処理を行います。今回の研究でも、交絡因子を厳密に調整しています。
調整要素としては年齢、性別、学歴、BMI、身長、運動、喫煙、がん家族歴、摂取総エネルギー、アルコールの摂取量などが挙げられます。さらに、超加工食品の割合や他の添加物で調整しても結果は変わらず、保存料以外の要因でがんリスクが上がったのではないかという懸念の排除に努めていて、非常に慎重な解析を行っています。
さらに今回の論文で興味深いのは、「がんのリスクを上昇させた保存料を多く摂取している」とはいっても、ほとんどの人が基準内の摂取量だったということです。ソルビン酸カリウム、エリソルビン酸ナトリウム、硝酸カリウムについては、EFSA(欧州食品安全機関)が定めた許容1日摂取量(ADI)を超えた人はゼロ、亜硫酸塩などでもごく少数でした。
つまり、保存料の入った食品を大量に食べるといった極端な食生活を送っている人たちではないということです。むしろ、NutriNet-Sante(大規模な前向きコホート研究)に自主的に参加した人たちなので、教育水準が高くて健康的な生活をしている傾向にあるといえます。
なお、今回の論文は観察研究のため、因果関係を証明したわけではなく、個々の保存料の摂取量が多い人は、がんが多かったという「関連」を示したものに過ぎません。ただし、がんの発症率が上がるメカニズムについても、論文の中で触れられています。例えば、亜硝酸ナトリウムと硝酸カリウムについては以下の通りです。
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