「基準内の摂取量でも、がんリスク増大!」 食べてはいけない「六つの食品添加物」

ドクター新潮 ライフ

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「天然の食材にも含まれている物質だから添加物で取っても安全」ともいえない

 まず、先ほど、いままで個別の保存料に関してがんの発生率との関連性を示すデータがほとんどなかった、というお話をしましたが、実は例外があります。亜硝酸ナトリウムと硝酸カリウムです。これまでの研究で、加工肉由来の亜硝酸塩と膵がん、腎がん、肉由来の亜硝酸塩、硝酸塩と大腸がんなどの発症リスクとの関連が報告されています。

 そして、硝酸塩を摂取すると、体内では一部が亜硝酸塩に還元され、N-ニトロソ化合物が生成されるという反応が起こり得ます。このN-ニトロソ化合物には発がん性が懸念されるものがあるのです。さらに肉にはニトロソ化を促す条件や成分が存在するため、加工肉などではこの反応ががんのリスクを上昇させる原因ではないかとみられてきました。今回の論文でも、がん発症率上昇のメカニズムとして、この仮説に言及しています。

 一方、果物や野菜に多いビタミンCなどの抗酸化物質は、N-ニトロソ化合物の生成を抑制する方向に働く可能性があることが分かっています。ホウレンソウなどの野菜には硝酸カリウムが含まれていますが、同時にビタミンCも含まれます。同じ硝酸カリウムでも、野菜などの食品そのものから取るのか、加工肉の添加物として取るのかによって、体内での働きが違ってくる可能性があることになります。従って、「硝酸カリウム=全て危険」と考えるのは適切ではありません。裏を返せば、「天然の食材にも含まれている物質だから添加物で取っても安全」ともいえないことを意味します。

添加物のビタミンではがん予防にならない?

 実は、この点に関しても、今回の研究では興味深い結果が出ています。もともと、天然の食品からビタミンCやビタミンEを多く取る人では、がんが少ないという疫学研究が存在していました。では、これらを添加物として摂取しても、がん予防になるのでしょうか。

 結論から言うと、予防にはなりませんでした。添加物として使われたビタミンCやビタミンEの摂取量と、がん発症率低下との関連は認められなかったのです。

 がん発症のメカニズムについて続けると、論文では、別の仮説も取り上げています。保存料の中には、微生物の増殖を抑える目的で使われるものがあります。そこで論文の著者らは、保存料が腸内細菌叢にも影響するのではないか、という仮説を挙げているのです。食品中の微生物を抑える働きが腸内でも作用し、腸内細菌叢や腸管透過性が変化すれば、免疫系に影響を与え、発がんにつながる可能性があるというわけです。

〈今回の論文の結論は、「保存料を禁止すべきだ」といった極端なものではない。代わりに、食品保存によるメリットと長期的な健康リスクを考慮しながら、規制当局が一部の添加物の安全性を再評価する材料として調査結果を活用すべきだ、と述べる。同時に、メーカーには、不要な保存料の使用を控えるよう促し、加工度の低い食品を手頃な価格で入手できる環境整備を政策側に求めている。〉

 保存料を使った食品は日常に溢れており、現代人の食生活から一切排除するのは現実的ではありません。では、私たちはどのような対策が取れるのでしょうか。

 例えばソーセージやハムなどの加工肉ではなく、生肉を買って簡単な調理をして食べる。総菜パンで済ませていた朝食を納豆ご飯に変える。今回の研究結果を踏まえて、まずはできるところから食生活を見直してみるのはいかがでしょう。

 このようなちょっとした変化でも、長期的に考えた場合、私たちの健康を左右することにつながってくると思います。

 前編では、食べてはいけない「六つの食品添加物」について紹介している。

週刊新潮 2026年9月17日号掲載

短期集中連載 第2回 「結局、私たちは何を食べればいいのか? 『問題添加物』6種類が含まれる食品一覧」より

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