「ワインを晩酌に発酵食品を」 87歳でフィットネスインストラクターになった女性の健康習慣とは 「65歳まで運動経験ゼロ」
パワーエイジング
人生の後半戦で長期入院せず、介護に頼らず、自立した日常生活を送れる期間を「健康寿命」と呼びます。読者の皆さんはご存じと思いますが、日本人の「平均寿命」と「健康寿命」の間には、男女共に9~12年の差があります。簡単に言えば、人生最後の約10年を寝たきりや要介護で過ごす確率が高い、というわけです。
人生100年時代、多くの方が最後まで自立して暮らしたいはずです。そして、それをかなえるだけの希望は十分にあります。シニアを対象にした研究では、週2回、1時間の運動を続けるだけで、わずか1年で筋肉量が5.5%も増えたという報告があります。運動といってもハードなトレーニングではありません。毎日にちょっとした「動き」や「負荷」を加えるだけでも、年齢を重ねるごとに力強くなれる――私はその生き方を、“パワーエイジング”と呼んで長年提唱してきました。
ここでは、“パワーエイジング”のお手本であるタキミカさんが取り入れている、簡単な生活習慣をご紹介します。彼女も、出会った当初は普通の人でした。家でゴロゴロしてかなり太ってきたので、家族が心配してジムに連れていったのが“運動との初めての出会い”。そこから、日常の動作にちょっとした習慣を組み込みながら、心身共に磨かれていったのです。
後ろ向きで歩く?
【立つ習慣】
家では、つま先立ちで歩く
お手洗いまでのほんの数歩でも、彼女はかかとを浮かせてつま先立ちになります。バレリーナのように。ふくらはぎの筋肉が強くなり、バランス感覚が一日中磨かれる、理にかなった転倒予防運動です。「座りっぱなしは第二の喫煙」ともいわれますから、30分に1度くらいはつま先立ちで歩くのがおすすめです。
【座る習慣】
椅子には浅く腰かける
彼女は決して椅子に“深く”座りません。姿勢が悪くなるためです。食卓でも、ジムでも、電車内でも、座面の端っこにお尻をちょこんと乗せて、両ひざをぴたりとつけて“浅く”座っています。それだけで自然と背筋が伸び、体幹(中心部の筋肉群)のスイッチが入るそうです。
【歩く習慣】
ときどき“後ろ向き”で歩く
日課でもある朝の散歩途中に「後ろ歩き」を20~30分取り入れています。普段使わない筋肉を使うので、平衡感覚が養われてグラつかない体を作っていけるのです。ただし最初は転倒に気を付けて。芝生などの柔らかい地面から無理せずゆっくり始めてみましょう。
【食べる習慣】
ワインと発酵食品を口にする
飲んでいるサプリはゼロ。栄養は全て食事から、というのが彼女のルール。大好きなワインを晩酌に漬物、納豆、キムチといった発酵食品をよく食べています。「食べた分動けば、ちゃらになる」が彼女の哲学です。
【寝る習慣】
20秒かけてゆっくり息を吐く
就寝前にはストレッチで体をほぐしています。そして深呼吸をして自律神経を整える。3秒で吸って、20秒かけて口から細く吐く。これを繰り返すことで毎晩快眠だそうですし、肺活量も増えています。
いかがでしょうか。暮らしの中に小さな負荷をちりばめておくことが、年齢に屈しない体を無理なく作るコツといえます。
もう一つ。タキミカさんの素晴らしい習慣を加えるならば、新しいことを怖がらずに楽しむ姿勢でしょう。スマホ操作も、インスタグラムも、英会話も、彼女が始めたのは80代になってから。「年齢はただの数字」と本気で信じ、新しいことへ飛び込み続ける――この姿勢こそが、若さの根っこなのです。
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