険しい表情で会長室を後に…石井準一氏はなぜ参院幹事長から外れたのか? 「国会を意のままに動かしたい」高市首相が突き進む強硬路線 「今後は“国会対策”が必要なくなるかもしれない」

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 前編【「これじゃウラ麻生内閣…」の声も高市首相が「麻生頼み」に徹した理由…萩生田氏でも武田良太氏でもなく「鈴木幹事長」続投を選んだ背景】からの続き──。自民党役員人事で大きなサプライズとなったのは、参院幹事長の石井準一を更迭し、参院議院運営委員長だった青木一彦に交代させたことだ。この参院幹事長の交代劇は党内に大きな波紋を広げた。【村田純一/時事通信社解説委員】(前後編の前編:一部敬称略)

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 9月15日午後、首相・高市早苗は自民党本部で開かれた総務会で人事の一任を取り付けた。このあと、参院議員会長・松山政司と石井は党本部7階の参院議員会長室に入り、松山が「交代だ」と、石井に人事を告げた。石井は憮然とした険しい表情で部屋から出てきた。この間、わずか5分という。

 部屋の外で待っていた複数の参院担当記者は「何かあったな」と直感した。松山も石井も記者団に人事のことはしゃべらなかった。その後、各社の取材合戦が始まり、参院幹事長交代のニュースが相次いで報じられた。

 間違いなく、高市は「聖域」とされる参院人事に手を突っ込んできた。高市は「参院の人事権は私にない」と記者団に語り、松山も高市の関与を否定した。が、「松山が独自の判断で人事を決めたと信じる者は、永田町には誰もいない」(自民党関係者)だろう。

 ただ、「松山と石井の間にも確執があって、松山が高市の意向を忖度し、石井を切った」(同)との声もある。「なぜ、参院の人事権者である松山は、高市の要求を拒否しなかったのか。石井は高市よりも松山に激怒している」(同)との見方もある。

 永田町で高市の「石井嫌い」を知らない者はいない。先の特別国会で首相が2026年度予算の年度内成立を指示したにもかかわらず、野党側との調整で参院審議に時間を要し、暫定予算の編成に追い込まれたからだ。

国会をコントロールしたい首相

 もともと今年1月の衆院解散、2月の総選挙によって、特別国会の審議日程は窮屈であり、年度内成立は困難だった。

 与党少数の参院では、与野党調整に時間がかかり、野党側の要求も丁寧に聞かねばならない。ところが、国会対策(国対)で汗をかいたことがない高市に、参院執行部のそんな弁明は通らない。高市には石井に対する不満と恨みだけが残ったようだ。

 国会終盤で首相が集中審議に出席せざるを得なくなったことも、首相は「(参院自民執行部が)野党と一緒に嫌がらせしている」(周辺)とさえ漏らしていたという。集中審議での答弁を嫌がる首相の国会軽視の姿勢が、ここによく表れている。

 自民党国対委員長に元官房副長官の村井英樹を抜擢したことも、今後の国会運営には重大な影響を与えそうだ。国会内で与野党調整が激減または不要となり、極論すれば、「与野党国対の機能そのものがなくなり、メディアの国対担当記者、国対委員長番は要らなくなるかもしれない」(自民ベテラン)ともいう。なぜか。

 一言で言えば、「首相官邸(高市)が国会をコントロールしたいとの思惑を持っているからだ」(自民関係者)という。

 つまり、高市の意向・指示がそのまま自民国対の村井に伝わると、村井はその通りに動くしかないと見られている。高市は国会の出席をできるだけ少なくし、国会答弁も最小限に抑えたいのだ。

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