「これじゃウラ麻生内閣…」の声も高市首相が「麻生頼み」に徹した理由…萩生田氏でも武田良太氏でもなく「鈴木幹事長」続投を選んだ背景
高市首相の「すり寄り」人生
麻生とは波風を立てず、配慮し、特に自民党内は「麻生頼み」を徹底した。高市は8月25日、首相就任後初めて麻生と昼食を交え2人きりで会談。さらに、9月9日、10日と2日連続で高市は麻生と差しで会談した。
つまり、言葉は悪いが、今回の人事で高市は麻生に擦り寄ることにしたようだ。高市は力のある者には、ちゃんと擦り寄る術(すべ)を心得ている。高市の政治家人生を振り返ると分かる。
2人の元首相、森喜朗と安倍晋三に擦り寄り、米大統領トランプに擦り寄り、今は麻生太郎というわけだ。権力を維持するためだったら、何でもやるという実行力は高市の強みであり、ある意味、怖さかもしれない。
そう言えば、高市は改造内閣について記者会見で、「決断と挑戦、実行の内閣だ」と強調していた。「決断と挑戦を続けてきたが、いよいよ実行のステージに入った」とも述べた。
キーワードは「実行」である。どんな手法、手段を使ってでも政権公約を実行するという意欲と決意だ。
衆院では自民単独で316議席と大多数を占める巨大与党。与党少数の参院で法案が否決されても、衆院で再可決する道がある。弱小野党は高市が暴走すれば止める術がない。
“総裁選封じ”の思惑
話を元に戻そう。党内に信頼すべき側近や仲間が少ない高市からすれば、党内唯一の派閥領袖、キングメーカー・麻生の力を借りない手はない。高市が総裁選で勝利したのも、最後は麻生が派閥を動かし、高市を支援したおかげでもあった。
高市─麻生の連携の証(あかし)が鈴木幹事長の続投だった。これは9月3日付の読売新聞がスクープ。当然、麻生も副総裁留任が固まった。その後、人事の骨格は高市、麻生の差しの協議の中で固まったとみられる。そして内閣の新たな顔触れは、アンケート調査で希望を募り、高市はつぶさにそれを見て、人選を進めた。人を知らない高市にすれば、紙に書かれたことが全てでもあった。
今回の人事では、高市が総裁再選を狙い、去年の総裁選で戦ったライバルたちを政権内に取り込んだ。高市は内閣改造後の記者会見で、改造人事に関し「来年の総裁選とは一切関係ない」と語っていたが、そんなこと正直に言うはずもない。
前回総裁選に出馬した外相・茂木敏充、防衛相・小泉進次郎、自民党政調会長・小林鷹之の3人を続投させたのも、次の総裁選出馬の動きをできるだけ封じようという思惑があるからだろう。
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