15歳の腐乱遺体で発覚「大牟田4人連続殺人事件」 警察署で自分の頭を撃った「組長」と、観音様の刺青を背負った「女親分」の凶悪家庭

国内 社会

  • ブックマーク

「北村家なら人殺しだってやりかねない」

 23日夜、諏訪川の川底から1台の軽自動車が発見された。真美の供述通り、車内には3人の遺体。B君とD君の遺体は、それぞれ頭部に1発、胸部に2発ずつ銃弾を浴びていた。Cさんの死因は窒息死だった。

 逮捕当時の真美が供述した殺害動機はCさんとの金銭トラブル。「彼女を殺した現場を3人に見られたので、口封じのために殺害した」という。高利貸し業を営んでいたCさんはその取り立てを北村組に任せていたが、親同士のトラブルで相手方の子供たちとその友人まで命を奪うものなのか。

 真美の供述が一部あいまいなことなどもあり、事件発覚当初から「両家の子供たちによる、女性を巡る抗争説」も浮かんでいた。当時、北村家の長男と次男は地元でも有名なワルだったことと、4人の姿が消えた経緯からすれば頷ける説ではある。

 16日夕方にA君が、翌17日にCさんが消えた後、B君は仲間と行方を捜した。夜にD君が加わっても2人を発見できず、18日未明に解散。一緒に帰宅したB君とD君の消息はその後に途絶えた。

 計4人が消えたことでD君の母らは捜索願を出そうとしたが、大牟田警察は事件性なしと判断。警察の腰を上げさせるため、仲間たちはD君宅に「命が危ない」と偽の脅迫電話をかけている。仲間たちは「北村家なら人殺しだってやりかねない」と確信し、警察でなければ助け出せないと考えていたのだ。

背中に観音様の刺青

 仲間たちが最悪の展開を想像するほど警戒していた北村家は、指定暴力団の三次団体・北村組でもあった。組長は大牟田署で自身の頭を撃った実雄だが、一家の主は“女親分”こと真美だったという指摘もある。彼女の実家の石橋建設はかつて、炭鉱などに労働者を送る“人夫出し”を生業としていた。

「実際に北村組を仕切っているのは、真美ですよ。実家の石橋建設を継いだのも彼女で、炭鉱への人夫出しがなくなっても、関西方面などの工事現場に作業員を送り込んでいる。日給1万5000円のうち、3000円はピンハネしているんじゃないか」(捜査関係者)

 170センチの長身、100キロ近い体重の真美は、地元でも目立つ存在だった。

「背中に観音様の刺青を背負っています。見境のない人間で、気に入らないことがあるとキレてしまい、“そんなら死んじゃる”といって運転していた車をガードレールにぶつけたり、川に飛び込んだりする」(近隣住民)

 真美には離婚歴があり、5人の子供がいる。3番目の夫である実雄は、いくつかの職を経て暴力団幹部のお抱え運転手となり、そこで覚せい剤を覚えた。北村組の組長だが組の子分は数人で、捜査関係者によれば「女房と違って気の小さい人間」。

 Cさん一家とD君の失踪を巡っては、真美との子で次男の孝紘(20)が25日に、真美と2番目の夫の子で長男の孝(23)が10月2日までに逮捕された。同月7日には入院中だった実雄も逮捕されたが、なぜか孝紘とそろって単独犯を主張した。孝紘は初公判までにその主張を変えたが、実雄は判決まで貫き通すことになる。

 ***

 裁判で繰り広げられたのは北村家の愛憎劇だった――第2回【「元力士の極悪兄弟」と女親分の母、組長の父…一家4人に死刑判決「大牟田4人連続殺人事件」 公判で露呈した“家族の歪な絆”】では、逮捕後の一家について伝える。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。