福岡県議会のドン「蔵内前議長」の唐突な議員辞職に“党本部の介入”はあったか…ベテラン政治記者は「沖縄県知事選を前に“判断”が下された可能性も」

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自民党「介入」の可能性

 閉会後、議場を退席する議員の中からは、「自民党の姑息なやり方だ」「めちゃくちゃや」といった、ぼやき声も漏れ伝わってきた。

 そう。何とも姑息なやり方だった。採決中止の緊急動議を出した県議は、県民から批判の嵐を浴び、事務所には抗議の電話が殺到したという。

 その後も内外の蔵内批判は収まらなかった。当初、福岡の混乱を静観していた自民党本部だったが、こうした事態を見て、「介入」に乗り出したのではないか。9月13日に沖縄県知事選も控え、福岡の混乱が影響を与えてはいけないと判断したようだ。

 蔵内は急に、議員辞職に踏み切った。私はこんなにも早く、議員まで辞めるとは思わなかった。9月議会までは議員として居座るとみていた。疑惑を調査する第三者委員会はまだ設置されていなかった。

 蔵内は都内で記者団に議員辞職を表明した際、「後日、福岡でゆっくり報告したい」と述べ、辞職の理由は説明せず、取材を打ち切った。

 以来、蔵内はいまだに記者会見を開いていない。一部メディアの単独取材には応じているが、それでは説明責任を果たしたことにならない。福岡県庁の記者クラブが蔵内の記者会見を要求しているが、今のところ応じる様子はない。

蔵内前議長、第三者委に協力と言うものの……

 ただ、蔵内は議員辞職表明と同じ日、文書でコメントを発表した。

「私自身の進退を巡って、これ以上県議会の混乱が続くことは、本意ではありません。議長職だけでなく、県議会議員としても身を引くことが、今の私にできる責任の取り方であるとの結論に至りました」

「県議会を混乱させた責任を取る」というのが、議長職の辞任理由だったが、ほとんどそれと同じような内容だ。第三者委の調査に対しては、積極的に協力する意向を示しているが、おそらく、これまでと同様に自身の金銭の受け取りは全面否定のままだろう。第三者委の調査でどこまで真実に迫れるか、なかなか容易なことではない。

 後編【捜査幹部から「この秋は忙しくなる…」と声が漏れる一方で…「蔵内前議長」を待ち構える第三者委と県警の“限界” 証拠固めだけでなく時効の問題も】では、第三者委員会はどこまで調査が可能なのか、さらに福岡県警の捜査がどこまで伸びるのか、さらに詳しくお伝えする──。

村田純一(むらた・じゅんいち)
1986年、時事通信社入社。90年から政治部。海部政権で首相番。平河クラブで自民党の小渕恵三幹事長、小沢一郎竹下派会長代行らを取材。民社党、公明党を担当後、羽田政権、村山政権で首相官邸を取材。96年経済部で経団連など財界担当。97年政治部に戻り、自民党の山崎拓政調会長番。選挙班長、防衛庁担当などを経て、2001年8月から05年2月までワシントン特派員。外務省キャップ、政治部次長、福岡支社長などを経て20年7月より時事総合研究所代表取締役。23年6月より現職(時事総研研究員兼務)

デイリー新潮編集部

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