習近平の愛顧でスピード出世した「人民日報」44歳女性記者 気に入られた理由とは?

国際 中国

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 高市首相に「番記者」がいるように、中国の習近平総書記にも担当記者がいる。中国共産党の機関紙「人民日報」の女性記者・杜尚沢氏がその人で、このたび編集委員から副編集長に昇格したことが分かった。

「人民日報の社長は大臣クラスです。その下は、編集長、海外版編集長と続き、副編集長は数人いる。新任の杜氏は上から6~7番目というポジション。副編集長は、中央省庁の次官級にあたります」(北京特派員)

 現在44歳というから、スピード出世であることは間違いない。経歴を見ると、山東省の出身で2004年に南京大学ジャーナリズム・コミュニケーション学部を出て人民日報入り。政治部や国際部を経て、12年に習氏が総書記に就任すると、同氏の「重要活動随報記者」に抜擢(ばってき)されている。30歳になるかならないかの頃だ。

 元産経新聞中国総局記者でジャーナリストの福島香織氏によると、

「人民日報で出世している人を見ると、地方支局での勤務経験者が少なくありません。しかし、杜記者はそれがなく中央でキャリアを積んでいる。やはり、習氏の覚えがめでたかったといえるでしょう」

“管理された親しみ”

 彼女の記事で有名なのは、14年11月、オバマ米大統領が訪中した際、習氏との会談を報じた「習奥瀛台夜話」というレポート。その場にいなければ分からないようなやりとりを紹介しているのだ。

〈会談はあらゆる段階で大幅に遅延し、当初予定されていた30分の会談は90分に及んだ。習大大(習おじさん)は『食事に行きましょう。お客様にお腹を空かさせたくありませんから』と言い、奥先生(「オバマさん」の意)は『もう少しあなたと話し合いたいことがあります』と答えた〉(人民日報より)

 元毎日新聞中国総局長の西岡省二氏(「KOREA WAVE」編集長)が言う。

「この記事で大事なのは『習大大』という言葉を使い“習近平の素顔を見た”と読者に感じさせていることです。権威を下げるのではなく権威に体温を与えたようなものでしょう。“管理された親しみ”こそ、彼女の記事を特徴付ける手法だと思います」

 また、19年3月のイタリア訪問では習氏の、

〈私は自己を捨て、人民に背かない〉

 という言葉を紹介しており、「中国新聞賞一等賞」を受賞している。この言葉は今秋から小学校4年生の国語教科書に採用されたという。

 機関紙だからといってベタ褒めするばかりでは飽きられてしまう。持ち上げるにしても機微を感じさせるテクニックが使えなければ、習氏の番記者は務まらないのであろう。

週刊新潮 2026年9月17日号掲載

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