「江川卓」が逃した「巨人監督就任」3度のチャンス それを阻んだ“球界のドン” 【監督になれなかった名選手たち】
プロ野球12球団で一軍の監督になれる人は、ほんの一握りだ。現役時代に輝かしい成績を残したからといって就任が保証されるものではない。
【写真を見る】江川氏の巨人監督就任を阻んだ「球界のドン」とは
元巨人の江川卓氏(71)も、現役時代の実績、人気は十分、ジャイアンツの監督候補として名が取りざたされることが度々であったものの、現在まで39年間にわたり、監督どころかコーチの経験すらないままだ。来季の巨人監督を巡っても、さまざまな「候補」の名前が飛び交っているが、「江川待望論」が盛り上がっているとは言い難い。
なぜ江川は監督になれなかったのか。8年前、スポーツジャーナリストの吉見健明氏は、自らの「スポーツニッポン」紙の記者時代の取材を基にその理由を考察している。入団時の巨人との“密約”について記した【前編】に続き、【後編】では、この約束はなぜ守られなかったのか、その理由について詳述する。
【吉見健明/スポーツジャーナリスト】
【前後編の後編】
(「週刊実話」2018年6月28日号記事を一部編集し、再録しました。文中の年齢や肩書は当時のままです)
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“禁断のツボ”に
江川が現役を引退したのは1987年のシーズン後。プロ生活9年の通算は135勝。この年も13勝を挙げてはいたが、引退会見で語った「長年痛めていた右肩痛が限界にきており、“禁断のツボ”に鍼を打った」というのが理由だった。
引退後は日本テレビで野球解説者を務める一方、夕レント業にも進出してマルチに活躍したことは周知の通り。お茶の間の人気も上々で、まだ若かったこともあって数年は外から野球を見て勉強した後、いずれは巨人監督への道が待っているはずだった。
巨人ファンの間でも江川待望論は根強く、また「江川巨人」は長嶋茂雄終身名誉監督も熱望していると言われている。
イメージはよくなかった
にもかかわらず、江川は現在に至るまで一度もユニホームに袖を通していない。その理由も様々な側面から指摘されている。
「入団時のスキャンダルでイメージが悪いため」
「現役中に不動産投資で多額の借金を背負っており、収入のいいキャスター、タレント業を辞められない」
「年俸8億円を要求した」
「現役時代、あまりにマスコミから叩かれた経験から責任ある立場を嫌がった」
「もともと飛行機が苦手なため、遠征を嫌っている」
確かに、江川には総額65億円ともいわれる借金説があり、イメージも決してよくはなかった。監督になれない理由を挙げればキリがないのだが、その一方で、前述した父親の二美夫さんが私に打ち明けたように、入団時に“密約”があったという情報も確度は高い。
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