上皇さまのご意向は“無視”され… 「皇室と政府との隔たりが、あらためてあらわに」 上皇さまの“お心残り”とは
大いなる“お心残り”
これらのお考えは、すでに陛下や秋篠宮さまとも共有されているといい、それが今回の「葬儀縮小」へとつながったわけである。参考までに89年の大喪の礼や皇室行事、そして御陵造営を含む総費用は、およそ100億円。上皇さまの葬儀では参列者数も2500人程度まで減らす方向で進んでいるため、経費の大幅削減も見込めるという。
「つねに国民の立場を第一に考えてこられたご在位中と変わらない、上皇さまらしいご判断だと思います」
とは、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授である。
「上皇さまは“国民と共にある象徴”にふさわしい葬儀を追求されている。いわば一種の“終活”ともいえるでしょうが、時代の要請を踏まえつつ、費用など国民への負担を極力抑えたいというご意思がうかがえます」(同)
そんな上皇さまが目下、大いなる“お心残り”を抱えておられるというのだ。
「皇室と政府との隔たりが、あらためてあらわに」
さる宮内庁関係者は、
「それは皇位継承のあり方に他なりません」
そう明かし、以下のように続ける。
「小泉政権下の05年に設置された有識者会議の報告書では、女性・女系天皇を認め、皇位継承順位は男女を問わず第1子を優先するとの内容が取りまとめられていました。ところが翌年、紀子さまが懐妊され、国会への法案提出も見送られることになったのです」
もっとも、
「悠仁さまが誕生されたとはいえ、長期的には皇室の先細りが懸念されていたこともあり、12年の野田政権下では、この状況を危ぶまれた上皇さまの強いご意向もあって、『女性宮家』創設を検討すべきだとの論点整理が発表されました」(同)
これは、平成時代に行われてきた上皇さまと陛下、そして秋篠宮さまによる「三者会談」でも議論され、合意に至ったものだった。が、
「それが政府によって完全に棚上げされ、代わりに、先ごろ公布された改正皇室典範では、05年の有識者会議で『国民の理解を得ることが難しい』と却下されていた旧宮家からの男系男子の養子が認められてしまった。これは『三者会談』でどなたも望まれていなかった案であり、国民の理解を重視する皇室と政府との隔たりが、あらためてあらわになってしまったのです」(同)
後編では、上皇さまが抱えておられる「お心残り」の詳しい内容について報じる。
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