どうやっても視聴率が上がらない フジのドラマ低迷に他局関係者「時代の空気をキャッチアップできなくなっている」
元暴走族は無理
前作が放送された1998年なら、元暴走族のリーダーが教師になるという設定は新しかった。警察庁の調べによると、当時は暴走族が全国に約2万6000人いたが、教師になるというのは一般的ではなかった。元暴走族リーダーと聞くだけで、型破りな教師だと想像できた。
しかし、時代は変わった。やはり同庁の調べによると、もう暴走族自体が約4500人しかいない。しかもメンバーの年代が上がっている。若者の中には、本物の暴走族を見たことすらない人も多いのではないか。
元暴走族は、もはやドラマの主人公のアピールポイントにするのが難しい。視聴者側が元暴走族をイメージしにくいのだから。鬼塚の存在は時代の要請に背いている気がしてならない。
他局の学園ドラマを見ると、やはり高校が舞台だったTBS「御上先生」(2025年)の場合、高校生と政治、親の立場や収入の格差問題(「親ガチャ」)、不正入試などを描き、さらにミステリー仕立てにしてあった。令和という時代を切り取ろうとしているのが伝わってきた。
フジは以前からヒットドラマのリメイクに熱心である。田中邦衛さんが主演した1966年の名作「若者たち」を、「若者たち2014」としてリメイクしたのは2014年だった。フジの視聴率が落ち始めた時期と重なる。
「若者たち2014」の主演は妻夫木聡(45)。蒼井優(41)らが共演するなど豪華キャストだったものの、視聴率は振るわなかった。テーマは旧作と同じく大家族の家族愛。少子化に伴う小世帯化の中では、支持を得るのが難しかったはずだ。古い設定と現状の乖離である。フジのリメイクはこのパターンが目立つ。
TBSのドラマ関係者は「フジには申し訳ないが、時代の空気をキャッチアップできなくなっているのではないか」と語る。フジのドラマ部門を統括するのは、「古畑任三郎」(1994年)などを生んだ稀代のヒットメーカー・石原隆専務(65)だが、現場のクリエイターが不足しているのかもしれない。第一線の人材がNetflixなど動画配信各社に流出してしまった。
2025年には小泉今日子(60)主演の「最後から二番目の恋」の続編「続・続・最後から二番目の恋」が11年ぶりに制作された。個人視聴率の平均値は4%台と上々だったが、コア視聴率(13~49歳の個人視聴率)は低調だった。還暦前後の男女の哀歓を描いたのだから当然である。
この類いのドラマは功罪が相半ばする。ノスタルジーを抱く視聴者もいるので、一定の個人視聴率を得るが、一方で「GTO」などと同じく、フジのドラマ全体を古色蒼然としたものに思わせてしまう。
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