18人中17人が甲子園経験者…U18侍ジャパンは「甲子園偏重」でいいのか? 現役監督からも漏れる“本音”
選考合宿が理想だが…
今年は末吉良丞(沖縄尚学)の選出についても、一部で疑問視する声が上がった。昨夏の甲子園で優勝投手となった左腕は、今年4月に左肘痛を発症して長く実戦登板から遠ざかった。夏の甲子園では横浜戦に先発したものの、3回3失点、最速143キロで降板している。
末吉は昨年、2年生で唯一U18侍ジャパンに選ばれた投手でもある。ただ、18人という限られた人数で戦う大会だけに、春から故障で登板機会が少なかった投手を招集することにリスクがないとは言えない。末吉の将来を考えても、選出について議論が起こるのは理解できる。
なぜ、甲子園出場選手に偏りやすいのか。
過去に代表チームの選考に関わった関係者に話を聞くと、そもそも全国の候補選手を把握する難しさがあるという。
「代表チームを選考するといっても全国くまなく視察に行けるわけではありません。4月に行っている代表候補合宿についても各都道府県、各地区の高野連から推薦を募っていますが、正直、地区によって温度差があるのは確かです」
さらに難しいのが、夏の地方大会で敗退した選手のコンディション把握だ。
「国際大会は夏の甲子園が終わった9月に行われていますが、地方大会で敗れた選手は実戦からかなり遠ざかっており、どんな状態かが分かりづらい。そうなると、どうしても直前まで甲子園大会でプレーしていた選手が中心になります」
直前まで実戦を続けている選手は状態を把握しやすい。一方、甲子園を勝ち上がった選手ほど疲労が蓄積している恐れがある。
「甲子園での疲労が残っていて、パフォーマンスが落ちている選手もいます。本当は大会前に候補選手を多めに集めて、選考合宿をできると良いと思うのですが、スケジュール的にも難しいのが現状ですね」
より幅広く人材を集める仕組みを
甲子園に出場していない選手を増やせば解決するほど単純な話ではない。過去には夏の甲子園を逃した選手を選出したところ、調整不足が明らかで、本来の力を発揮できなかった例もあったという。
逆に、甲子園を勝ち上がった選手には疲労の問題がつきまとう。2018年のU18アジア選手権では、地方大会と甲子園で計11試合、1517球を投げた吉田輝星(金足農・現オリックス)が招集された。代表合宿では疲労を考慮して別メニューでの調整が続き、本大会では2試合に登板して2敗に終わっている。
日程上の制約が大きいのは確かだ。それでも、地方大会で敗れたチームの有力選手について、夏の大会終了後に候補者を集めて状態を確認する機会を設ける方法は考えられる。国際大会直前に人数を絞る選考合宿が実現すれば、甲子園での活躍だけに左右されないメンバー編成につながるだろう。
日本の高校野球で最大の舞台が甲子園であることに異論はない。国際大会はどうしても「甲子園後のおまけ」と見られがちである。
しかし、同世代のトップ選手が集まり、一緒に練習し、海外の強豪と戦う経験は簡単に得られるものではない。実際、代表チームでレベルの高い選手と過ごした経験が、その後の成長につながったと話す選手を何人も取材してきた。
それだけ価値のある代表活動だからこそ、甲子園を中心に据えた現在の仕組みが最善なのかは考える必要がある。監督人事も選手選考も、甲子園という枠にとらわれず、より幅広く人材を集める仕組みを検討する時期に来ているのではないだろうか。










