18人中17人が甲子園経験者…U18侍ジャパンは「甲子園偏重」でいいのか? 現役監督からも漏れる“本音”
夏の甲子園は終わったが、選ばれた選手たちにはもう一つ大きな舞台が待っている。9月7日に台湾で開幕するU18アジア選手権だ。【西尾典文/野球ライター】
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高野連から話が来たら断ることは難しい
8月29日には壮行試合として大学日本代表との交流試合が行われ、会場となった明治神宮野球場には2万人を超える観客が詰めかけた。甲子園で活躍した高校生が、レベルの高い大学生に挑む。このイベントは2015年にスタートし、注目度も高まっている。
これだけ注目されるイベントになった一方で、U18侍ジャパンのチーム運営には以前から気になる点がある。監督人事もその一つだ。
2015年以降の代表監督を見ると、いずれも甲子園で優勝、または準優勝を経験した指導者で、現役監督が起用されるケースも少なくない。
2024年から2年間は日大三の監督を退いていた小倉全由氏が指揮を執った。2025年12月に就任した岡田龍生監督は東洋大姫路の現役監督である。コーチ陣にも高校の現役指導者が並び、今回の首脳陣で高校の現場を離れているのは、関大北陽の前監督、新納弘治ヘッドコーチ(日本高野連技術・振興委員)だけだ。
問題は代表活動の時期である。8月末から9月は各校の新チームが本格的に動き出し、全国各地で秋季大会が始まる。代表に参加する監督は、その間、自校の指導から離れざるを得ない。
2022年には花咲徳栄の岩井隆監督がU18侍ジャパンのヘッドコーチとして不在だった期間に、チームが秋季埼玉県大会の初戦となった2回戦で敗退。翌春の選抜出場を逃した。
甲子園で十分な実績を持つ、ある監督に代表チームについて話を聞くと、率直な答えが返ってきた。
「正直、自分のチームのことを考えると、新チームがスタートする時期にチームを離れるのは避けたいですね。そう思う監督が大半ではないでしょうか」
さらにこう続けた。
「実際に高野連から話が来たら断ることは難しい。できればコーチも含めて、現役の監督以外で首脳陣を固められるのが理想だと思います」
本当にベストメンバーなのか
前任の小倉氏のように、直前まで高校野球の現場にいた指導者を毎回確保できるとは限らない。高校の現役監督に限定しなければ、人材の選択肢はもっと広がるだろう。
U12やU15ではNPB経験者が代表監督を務めている。社会人野球にも監督経験者は数多く、NHKの高校野球中継で解説を担当するなど、高校野球への理解が深い人材もいる。代表チームの首脳陣を高校の現役監督を中心に編成する必要があるのかは、一度検討してもいいはずだ。
監督人事だけではない。選手選考にも同じような問題を感じる。
今年のU18侍ジャパン18人のうち、今夏の甲子園に出場していないのは前田侑大(高岡第一・投手)と福島陽奈汰(東海大熊本星翔・内野手)の2人だけだ。福島は今夏こそ甲子園に出場していないが、2年夏に出場を経験している。つまり、甲子園未経験者は前田1人である。
甲子園出場選手に実力者が多いのは当然だ。ただ、代表入りしても不思議ではない選手が他にいなかったわけではない。
代表選外となった選手を見ると、最速152キロ、高校通算39本塁打を誇る二刀流の菰田陽生(山梨学院・投手)、最速150キロ左腕の高部陸(聖隷クリストファー・投手)、夏の甲子園で151キロを計測した平田玲翔(大分商・投手)らがいる。菰田は春の選抜で左手首を骨折し、負傷の影響で4月の代表候補合宿メンバーから外れたが、夏には復帰していた。
個々の能力だけで代表を編成できるわけではなく、ポジションやチーム全体のバランスも考える必要がある。それを踏まえても、18人中17人が甲子園経験者という顔ぶれを見ると、本当の意味で全国からベストメンバーを選べているのかという疑問は残る。
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