時速40キロで、赤信号の交差点に突っ込み…【埼玉・川口】クルド人男性の暴走で19歳青年が事故死 遺族の慟哭と、法廷で繰り返されたウソ

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目撃者の証言と異なる供述

 しかし、これらの供述と、遺族や目撃者の証言は真っ向から異なる。

 まず、母親への電話連絡については、先の意見陳述の通り、母親は明確に否定している。事故から1ヶ月が経過した2月中旬に私が取材した際も、母親は同様のことを証言している。

 事故直後の救護措置についても同様だ。筆者は事故現場の状況を目撃していた近隣住民に事故発生の5日後に取材している。それによると、事故直後に車を降りて速やかに救護活動を行ったのは、被告人ではなかった。対向車線に停車していた「黒いワゴンの運転手(日本人男性)」が即座に車を降り、119番通報をして交通整理を行い、倒れている優生さんに声をかけ続けていたという。

 母親によれば、この黒いワゴンの運転手から事故時の状況について以下のような説明を受けたという。

「信号が赤だったため自分は停車していたが、対向車線の車(被告人の車)が全く減速せずに交差点に突っ込んできて、青信号で進入したバイクをはね飛ばした。すぐに駆け寄り、大丈夫、今救急車を呼んだからねと声をかけると、(優生さんは)一瞬だけ目を開けて目が合ったが、すぐに意識を失った」

 また、事故を起こした被告人と、同乗していたクルド人の知人がどのような行動を取っていたかについて、前述の近隣住民は次のように証言している。

「彼らは車から降りてきたものの、倒れている被害者に近づく様子もなく、ただその傍らに立ち、他の人が救助活動を行う様子を傍観していた」

 このように、第三者が救護活動を行っていたにもかかわらず、被告はその責任を果たそうとしなかったばかりか、法廷においては「自らが介抱した」と事実と異なる供述を行った可能性が高い。

日本社会全体が直視すべき課題

 真面目に働き、納税の義務を果たし、将来を期待されていた19歳の若者が、暴走で命を奪われ、事故後の不誠実な供述によってその尊厳を傷つけられた事実は重い。

 現在、日本では深刻な人手不足などを背景に、定住する外国人が増えており、今後、本格的な「移民社会」が訪れる可能性が高い。多文化共生という理念が進められる一方で、今回のようにその一部には日本の法秩序や人命を重んじる基本的な意識を欠いた者が存在するという現実に直面している。労働力の確保と同時に、受け入れる社会の法秩序や治安をいかに維持し、住民の権利と尊厳をどのように守るべきか、日本社会全体が直視すべき課題が示されている。

 判決は来月の17日に下される。

【前編】では、第一回公判の内容について詳述している。被告が信号見落としの理由として述べた“驚くべき弁明”の中身とは――。

西牟田靖(にしむたやすし) ノンフィクション作家。1970年大阪府生まれ。日本の国境、共同親権などのテーマを取材する。著書に『僕の見た「大日本帝国」』、『わが子に会えない』、『子どもを連れて、逃げました。』など。

デイリー新潮編集部

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