赤信号を見落としたのは「クルド人差別のことを考えていたから」 【埼玉・川口】クルド男性の暴走で19歳青年が事故死 公判で繰り返された「不可解すぎる弁明」
事故の概要は
被告は事故当初、現行犯で逮捕されたものの、その後、「会社経営者であり逃亡の恐れがない」として釈放、在宅起訴されていた。そのため、手錠や腰縄はつけられていなかった。
起訴状によれば事故の概要は次の通りだ。
事故が起きたのは2026年1月14日午前6時30分。現場は埼玉県川口市北園町の交差点である。被告は普通乗用車を漫然と運転し、赤信号の交差点に時速約40キロで進入。その時、被害者が運転するバイクを左前方約9.9メートルの地点に認め、右にハンドルを切ったものの間に合わず、車の左前部を衝突させた。被害者はバイクもろとも路上に転倒。多発外傷の傷害を負い、同日の午後4時27分頃、出血性ショックにより死亡した。罪名は過失運転致死である。
来日してから免許を取得
検察官が起訴状を読み上げた後、被告人・弁護人は共に起訴内容を全面的に認めた。事故を巡っては、SNSで「過失割合は50対50」といった言説が拡散されていたが、それが明確に否定されたことになる。
青年の命を奪ったプリウスを運転していたのは、トルコ国籍のクルド人、クルト・ハイリ被告(29)。10代半ばから日本に13年在住し、解体業を営む会社の代表を務めている。前科・前歴はなく、正式な在留資格を保持している。月収は約50万円で家族は妻と2人の子がいる。
ハイリ被告は来日してから運転免許を取得している。普通免許だけでなく、大型・中型・準中型なども取得済みだ。彼は日本の交通ルールを学び、適性検査もクリアした上で、日本の道路インフラを日常的に利用していた。それでも赤信号の交差点に減速することなく進入するという無謀な運転を行ったのである。また、過去には駐車違反など軽微なものではあるが、交通違反を3度起こしている。
優しく生きる息子を亡くした母の強い処罰感情
命を奪われたのは、山本優生(ゆうき)さん(19)。高校卒業後に空調や配管関係の設備業に就き、作業着を汚しながら、残業もいとわず懸命に働く青年であった。母親は筆者の取材にこう話してくれていた。
「優しく生きてほしいと思って優生と名付けました。家に入ってきた虫をそっと逃がしてあげる小さな命を慈しむ、名前の通り優しい子に育ちました」
優しさは家族にも向けられていた。「会社はキツいけどママのお弁当あるから頑張れるよ。いつもありがとうね」などと口にする青年だった。
自立心が強く、将来をしっかりと見据えていた。親に頼らず自力で教習所費用や車のローンを工面し、彼女との同棲を夢見て、その資金としてすでに100万円以上の貯金を蓄えていたという。
彼が亡くなった後、母親が悲しみをこらえて駐車場の解約手続きに行ったとき、仲介の不動産屋からこう告げられた。
「3月分まで、もう入金されていますよ」
翌月分の支払いまで済ませていた。自らの足で人生を歩んでいたのだ。
かけがえのない息子を失っただけに、母親の処罰感情は強かった。この日の公判で、検察官は母親の気持ちを次のように代読した。
「はっきり言って殺人者だと思う、もし今後も日本に住み続けるなら神々に感謝しろ、日本人をなめるんじゃない、示談の話はない、謝罪の連絡もない、保険会社からの連絡もない」
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