ひどい物価高でも「デフレ脱却」を認めない高市総理 積極財政と低金利で「さらなるインフレ」を招く危うさ

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「デフレを脱却したといえる状況にはない」

 現在、金融市場は日本政府のインフレ対策を注視しています。積極財政路線が続くことで財政がさらに悪化する懸念はないのか、日本銀行はインフレを抑え込むために追加の利上げをできるのか、大きな警戒感とともに見ています。その理由は、日本がマズい状況になりつつあるので、ダメだと判断したら保有している通貨や債券、株などの日本資産を売り、損をしないようにする必要があるからです。

 日本のインフレは2022年春ごろから本格化しました。ロシアのウクライナ侵攻にともない資源価格や食料品価格が上昇したのが一因です。加えて、欧米諸国がインフレ対策でいっせいに金利を上げるなか、日本だけはゼロ金利をかたくなに守ったので、日米や日欧の金利差が拡大。金利が安い円を持っていても儲からないので、円が売られて円安が進み、そうなると食糧もエネルギーも大量に輸入している日本なので、物価は欧米以上に上がっていきました。

 結果として、消費者物価上昇率すなわちインフレ率は、2025年度まで4年連続で2%を超え、2025年度は2.7%に達しました。2026年度は少し落ち着き、最新の数字が確認できる6月は1.7%ですが、これはガソリン補助金など政策による補助の影響が大きく、今後は物価がふたたび上振れするリスクが指摘されています。実際、7月24日に公表された内閣府の「令和8年度年次経済財政報告」では、今年5月の消費者物価上昇率は1.5%にとどまったものの、補助金などの政策要因を除くと2.8%になる、と記されています。

 私たちはいま、こうしてインフレに苦しめられていますが、7月27日、高市早苗総理の記者会見を聞いて、筆者は頭のなかが真っ白になりました。総理が「現時点において、日本経済がデフレに戻る見込みがない、すなわち、デフレを脱却した、といえる状況にはないと考えている」と話したからです。

 インフレとは簡単にいえば、モノやサービスの値段が継続して上昇し、お金の価値が相対的に下がる現象のことです。そういう状況に見舞われて苦しいというのが、多くの国民がいま実感していることだと思います。ところが、驚いたことに高市総理は、インフレの状況にあることを認めながらも、なお「デフレ脱却」には至っていないとしたのです。

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