〈イオンモール爆発〉館内に戻ったのに被害を免れた生存者の証言 「食品売り場に寄ったことで助かったのかも」
“皆さん、屈んでください!”
イオンモールのテナントに勤める20代の女性従業員は、こう振り返る。
「今までに経験がないほどの激しい揺れで、体感的には10分くらい続いていたように思いました。本当に恐怖の時間でした。方々からお客様の悲鳴が聞こえて、泣き叫ぶ子供もいた。売り場の商品はバカバカと落下して、陶器やガラス製品は音を立てて割れて棚から全て消えた。レジ付近の天井に埋め込まれた業務用の大型エアコンまでガタンと落下したんです。重さは100キロちかくありそうでした」
イオンモールの飲食店でアルバイトをしていた10代の女性に聞くと、
「シフトを終えて退店後、モール1階でウインドーショッピングをしていた時に揺れ始めたんです。次々にマネキンが倒れて割れ、建物からはギシギシと軋む音が聞こえた。ここにいたら危ないと急いで避難を始め、吹き抜けのあるイベントスペースに出ました」
そこにはパニック状態に陥った買い物客が20~30人ほど集まっており、イオンの女性スタッフが必死に避難誘導をしていた。
「まだ揺れていたので、女性スタッフが大声で“皆さん、屈んでください!”と叫んでいました。私たちは手で頭を押さえながら身を寄せ合った。天井からは煙のようなものがモクモクと降ってきて、息苦しく咳き込むほどでした。焦げた匂いなどはしなかったので、建物が軋んだことで生じた埃だったと思います」(同)
ようやく揺れがおさまり、なんとか外へ出ることができた。
「イオンのスタッフが出入り口に立ち“モール内には立ち入らないでください”と連呼していた。地震が起きて20分ほどたった頃、バイト先の店長から安否確認のLINEが送られてきて、同僚はみんな無事だったことが分かりました。その後、バスが来たので帰宅することにしました」(同)
幸いバイトを終えていた彼女は、私物が手元にあり、館内に戻ることなく帰宅できたのだ。
「私物を取りに行くと決意」
一方、着の身着のままで避難を余儀なくされたという前出の女性従業員は、
「地震の影響でスプリンクラーが誤作動を起こして“火災が発生しました”という館内放送まで流れて混乱していました。お客様の避難誘導が完了後、上司からは“何も持たず逃げて”と指示されたので、貴重品を預けたロッカーへ戻る時間もなくて、駐車場へ避難することになったのです」
この店舗のみならず、多くのテナントでは勤務中はバックヤードに貴重品や私物を預ける決まりとなっていた。このため、自宅や車の鍵、財布などを持たずに避難した従業員が多かった。
そこで、地震発生から40分ほどたった17時過ぎの時点で、イオン側から再入館が認められたのだ。
「イオンのスタッフから“安全確認ができていないので帰れる人は帰ってください。荷物がないと帰れない場合は、店舗ごとに何人かで集まり再入館して、必要な物を回収したらすぐ戻ってきてください”と言われました。それで私は同僚と私物を取りに行くことを決意。何も音がしないくらい館内は静まり返っていました」(同)
なんとかロッカーの私物を回収後、同僚を待っていた彼女は、フードコートで働く友人と遭遇した。
「この飲食店員も貴重品を取りに戻って来たそうで、ついでにガスの元栓を締めたと言っていました。そうこうしているうちに、防災センターの人が避難を呼びかけに来たので、再び駐車場へと向かった。館内にいた時間は正味10分ほどだったと思います」(同)
この時点では爆発までは30分くらいの時間があったわけだが、まさに間一髪だった生存者もいた。
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