なぜいま? 皇室典範改正の折も折、「愛子さま」に取り沙汰される“伊勢神宮の祭主”就任説 「“愛子天皇”を阻止したい意図が働いているのでは…」との指摘も

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「『愛子さまが遠からず、伊勢神宮の祭主に就かれる』といった噂を最近、よく耳にします」 

 宮内庁OBがこう話す。祭主は伊勢神宮の最高位にあり、元女性皇族の“指定ポスト”と言われる。現在は天皇陛下の妹・黒田清子さんが務めており、愛子さまは当然、後継の最有力候補ではある。だが、なぜ今、このタイミングでそんな噂が流れるのか。「皇室典範が改正され、男系男子の皇位継承を死守するための選択肢が、悠仁さまだけではなくなった。それだけに、元女性皇族が就任することが慣例のポストに愛子さまが就かれれば、愛子天皇の“目(芽)”は完全になくなるからだ、という人もいます」(同OB)。噂の真相を検証する。

2つの立場を混同か

 伊勢神宮の祭主は、同神宮の神職としては大宮司とともにツートップの一角を担い、なおかつ明治以降は久邇宮朝彦親王から梨本宮守正王まで5人の男性皇族が務めたことから、皇祖神の最高神を祀(まつ)る伊勢神宮ではトップの地位にあると考えられている。

 ただ戦後は政教分離の原則から、結婚して皇室を出た元女性皇族が務めるようになった。ちなみに、1937年に就任した梨本宮守正王が敗戦後の一時期、皇族で唯一「A級戦犯」の容疑がかけられたのは、国民の戦意高揚に影響を及ぼした「国家神道」のトップとして、太平洋戦争開戦(1941年)を主導したと疑われたためだった。守正王は巣鴨プリズン(旧東京拘置所)に5カ月間収容されたものの疑いは晴れ、不起訴となっている。

 前出の宮内庁OBは「一般の方々は『祭主』と『斎宮』を混同しているケースが多い。この誤解が噂の一因となっている可能性があります」と語る。

 斎宮は、斎院とともに飛鳥時代から南北朝時代まで存在。斎宮と斎院を合わせて「斎王」と呼ばれ、天皇に代わって神に仕えた未婚の女性皇族を意味した。斎宮は三重の伊勢神宮に奉仕し、斎院は京都の賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)に奉仕しており、国の繁栄を祈る重要な役割を果たしていた。

 毎年5月に京都で行われている伝統の「葵祭」では、5月15日に「斎王代」と呼ばれる若い女性がお神輿のようなものに乗り、平安装束の行列を引き連れて京都御所を出発。8㎞の道のりを練り歩くシーンがテレビのニュースでよく知られるが、この「斎王代」は、現存していない斎王の代理に選ばれた、京都にゆかりのある未婚の一般女性だ。

「(恋愛は)斎王はタブーですか?」

 愛子さまは2024年3月、伊勢神宮の“玄関口”にある斎宮歴史博物館を視察した際、こう質問された。

 地方訪問と伊勢神宮参拝はともに、愛子さまにとって単独ではこれが初めてのことだった。直前に学習院大学文学部日本語日本文学科を卒業したばかりだった愛子さまは、日本の文学史上、最古の歌物語であり傑作と位置付けられる『伊勢物語』の絵巻を見学しながら、神に仕える身のため、独身者に限られていた斎宮のラブロマンスについて説明を受け、専門分野だけに強く興味を示されたわけだ。

実は斎主も存在する

 神道の最高祭司である天皇の代理だからこそ、皇族が選ばれた斎宮。生理を「穢(けが)れ」と表現する神道では、天皇の代理は既婚者では務まらないという感覚は、令和の時代には受け入れられない人も少なくないとは思われる。

「ただ古典文学の一ページという意味で、愛子さまも感心をもたれたのではないでしょうか」(同OB)。

 斎宮は、もともとは伊勢神宮の斎王が暮らした宮殿と役所の総称だったものが、役職や立場を意味する呼称に転じたものとされる。博物館は斎宮跡地に建てられており、『伊勢物語』や『源氏物語』などの古典文学に描かれた斎王についての史料や展示物が豊富に所蔵されている。

「この斎宮、つまり伊勢神宮の斎王と、伊勢神宮の祭主を取り違えているというか、混同してしまっている人は結構、多いのです」(同OB)

 斎宮は古典の中に出てくる用語であり、祭主はいま存在する役職だ。だが神道には実は「斎主」という用語があり、これが勘違いを生んでいるとの説もあるようだ。斎主はいわゆる神主で、仏教でいう住職、キリスト教ではカトリックの神父、プロテスタントの牧師に相当するとされる。旧宮家に近い関係者は「保守層と呼ばれる人たちの中にも、皇室の捉え方が真二つに割れるケースがあるというのが、正直な印象です」と打ち明けた上で、こう語る。

「一方は、皇室を精神面から日本人の心の拠り所と捉える方々。そしてもう一方は権威としての皇室を絶対視する方々。ただ後者は、表現が適切ではないかもしれませんが、皇室を盲目的に絶対視するあまりに、『存在するだけでありがたい』という極端な考えの持ち主が多いと感じます」

 天皇・皇族方の内面やパーソナリティを二の次と考える、後者の保守派政治家は実際に多いと言われる。上皇陛下が、高齢化が進めば象徴天皇としての務めを果たせなくなるとして、生前退位を希望された際、当時の政権内には「天皇は終身制なのはご存じのはずなのに、なぜそんな無理をおっしゃるんだ」「被災地訪問は天皇の義務ではないのだから、何も気にされる必要はない」などとする不遜な意見があったのは、よく知られる通りだ。

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