「プーチン大統領」が抱える“深刻なジレンマ” 「やめられない戦争」で支持率低下、与党は選挙惨敗危機 同盟国からも「戦争凍結」を進言され
国民の57%が「不安」
露世論調査機関FOMは社会の雰囲気を探るため、「家族らの気分は平穏か、不安か」の2択の質問を継続して行っている。
直近で発表された7月末の調査で「不安」は57%に達し、「平穏」を20ポイント上回った。この状況はかつての警戒水域に近づいている。
この継続調査では、普段は「平穏」が優勢だが、ウクライナ侵攻開始直後は「不安」(55%前後)が「平穏」(39%前後)を逆転。男性を戦場に送る部分動員令が発令された2022年9月には、「不安」が69%に達し、「平穏」を40ポイントも超過している。
さらに同時に行われているFOMの調査で、「政権への不満」を問う調査も7月末は「不満」が39%に達し、年初の25%からじわじわと上昇している。
モクモクと上がる黒煙
この結果を見た政治学者のグラシチェンコフ氏は「不安は記録的な高水準で、この夏の人々の支配的な気分だ」とSNSに投稿した。
最近のニュースのラインナップはネガティブな出来事で占められており、「人々はもはや遠く離れた場所での軍事行動だけでなく、燃料不足や倉庫破壊、空爆、犠牲者といった現実、つまり日常生活の脆弱性を目の当たりにしている」と指摘した。
6月下旬、ゼレンスキー大統領は戦争終結を目的とした「40日間の影響作戦」を承認した。ドローン軍の攻撃を受け、炎上した物流センターから夏の空にモクモクと上がる黒煙は、ロシア人の不安を掻き立てている。
大統領支持率も低下
「40日間作戦」を開始する前の6月中旬、ゼレンスキー氏はキーウの執務室で、ウクライナ情報機関が入手したという独自の調査資料の結果を受け取った。この調査は露政権の指示で密かに行われたもので、プーチン氏の机にも届けられているという。ゼレンスキー氏はSNSで数字を公表した。
この内部資料によれば、2026年初頭に70%以上を保っていたプーチン氏の支持率は低下傾向にあり、9月に予定されている下院選挙時には55%に急落するという。直近の高市内閣の支持率が53%(NHK)だから、厳しい言論統制が敷かれ、反対意見が抑制されているロシアで、このプーチン支持率がどれほど異様な数字であるかがすぐにわかるだろう。
資料によれば、プーチン氏の人気低下が与党「統一ロシア」の惨敗を招き、野党の共産党や新人民党が議席を伸ばすと予測。大統領不人気は戦争継続の影響を甚大に受けている地方が顕著なのだという。ゼレンスキー氏は、将来的に地方からクレムリンの統治に対する反乱が起こる可能性があるという見方を示した。
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