8月15日の靖国参拝を見送り、皇室典範改正は大急ぎ…高市首相の“矛盾”について識者は「安倍首相と比較するとその差は歴然」と指摘
昭和天皇との奇妙な共通点
「戦前の日本では昭和天皇が『君臨すれども統治せず』の立憲民主制における大原則を遵守され、それを見越した軍部が天皇の統帥権を悪用して議会を無視、戦争に突き進んだという歴史があります。記念式典で高市さんは式辞を述べました。一方の天皇陛下はご臨席されたにもかかわらず、お言葉はありませんでした。戦前の昭和天皇が置かれていたお立場と奇妙に似通っている印象を受けてしまいます」(同・伊藤氏)
8月13日、ロシアのプーチン大統領は北方領土の択捉島を初めて電撃的に訪問した。高市首相は会見を開き「断じて許容できません」と強く抗議した。
この会見における高市首相の発言で、伊藤氏は「話し合いのチャンネルをちゃんと開けてですね、対応してきたわけでございます」の部分に注目する。
「高市さんは中国との関係が冷え切っていることについても、『対話のチャンネル(窓口)は常にオープンです』と説明します。これは一種の消極的姿勢なのですが、国内では『毅然とした態度で素晴らしい』と評価する声が少なくなかったのです。しかし、こうした“高市外交”は限界を露呈しつつあると言えるかもしれません。なぜなら“高市外交”の基本姿勢は『対立している国には何もしない』だからです。外交で最も重要なものは、利害が対立している国に対しても水面下では必死に意思疎通を図ることでしょう」
“安倍外交”との大きな差
伊藤氏は「同盟国のトップであるトランプ大統領やメローニ首相と笑顔で握手するのが無意味とは言いません。しかし対中関係や対露関係を前進させることの重要性とは比較にならないと思います」と言う。
「私は何度も“安倍外交”を批判してきましたが、安倍さんが外交に力を入れ、成果を上げてきたこともよく承知しています。例えば日露関係では『安倍さんはプーチン大統領にダマされている』と批判しましたが、両国の距離が近かったのは間違いありません。さらに安倍さんは2013年12月に靖国神社を参拝し、日中関係は極端に冷え込みました。しかし粘り強く水面下での協議を重ね、翌14年に日中首脳会談を実現しています。他にも19年にはテヘランでイランの最高指導者アリ・ハメネイ師と会談しました。『単なるパフォーマンスであり、外交成果はなかった』との厳しい批判もありましたが、会談が実現したという点は評価できると思います。一方の高市さんは、そうした意味での外交をやっていません。トランプ大統領の横でぴょんぴょん跳ねていたのが印象的ですが、やはり安倍さんとの差は大きいと言わざるを得ないのです」
改正皇室典範の問題でも同じことが指摘できる。果たして高市首相は「天皇家のご意向」を把握しようと極秘で周囲から話を聞くとか、“密使”を皇室に派遣するとか、様々なアプローチを尽くしたのだろうか──?
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