「進学希望なのがもったいない」スカウトも驚いた 大学進学を選んだ甲子園の“ドラフト級逸材”の実力

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「すでにプロ級だった2人」の出発点

 他地区を担当し、初めて岩井の投球を見たというスカウトは驚きを隠さなかった。

「少し独特の投げ方ですが、ボールの力は素晴らしいですね。手元で浮き上がってくるような球筋で、バッターから見てもかなり速く感じると思います。立ち上がりから飛ばしているように見えたので中盤以降は厳しいかなと思って見ていましたが、最後まで球威が落ちませんでした。変化球もよく腕が振れます。進学希望なのがもったいないですね」(セ・リーグ球団スカウト)

 岩井は高校卒業後、関西の強豪大学に進む予定だという。高校からプロではなく大学を選んだ理由について、本人は「まだ体が小さいのでしっかり鍛えて4年後にプロを目指したいです」と話していた。以前のように甲子園大会終了後に進路を決める時代であれば、ドラフト指名されていた可能性は高そうだ。

 選手の進路決定が早くなっている背景には、プロ、大学、社会人それぞれの思惑があり、一概に良いとも悪いとも言えない。近年、大学や社会人で想像以上に伸びるケースが増えているのも事実である。

 4年後、山田と岩井がドラフト上位候補として名前を並べた時、この夏の甲子園が「すでにプロ級だった2人」の出発点として改めて振り返られることになるかもしれない。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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