「女性に触れたくない」男が結婚、妻の入浴姿をのぞいて満足していたら…彼女の“男嫌い”にも秘密があった
【前後編の前編/後編を読む】妻と触れ合いたくて押し倒したら、会社に弁護士がやって来た 「触れない不倫」でも満たされない40歳夫の孤独
2026年7月の厚生労働省の発表によれば、日本人の平均寿命は男性81.35年、女性87.33年となっている。人生100年時代と言われるのも頷ける数字である。
【後編を読む】妻と触れ合いたくて押し倒したら、会社に弁護士がやって来た 「触れない不倫」でも満たされない40歳夫の孤独
「僕はまだ半分も生きてないんですね。この何年かで、人の2倍くらい生きたような気がするけど」
岡部隆行さん(40歳・仮名=以下同)は、眉間に深いしわを寄せながらそう言った。不惑どころか、迷って傷ついて、もはやどうしたらいいかわからないともつぶやく。現在は離婚調停も視野に入れているというが、「自分でも、どうして離婚に向かってしまったのか。理由が認識できていない」のだという。
今の事態を招いたのは、5年前の結婚が原因だ。そこから彼の人生は一変した。
「生まれ育ちはごく平凡です。首都圏のサラリーマン家庭に育って妹がひとりいる。ちょっと性的嗜好に問題はあるけど」
彼はそこで言葉を切った。どんな問題なのか、彼がそれを話してくれるのかを黙って待つ。
「僕はセックスができないわけではないんですが、できればしたくないタイプなんです。僕がいちばん興奮するのは、女性の体を見ているとき。触れずに静かに眺めて脳内の興奮を感じているときがいちばん幸せ」
崇高なものだと思い込んでいるからこそ
男性機能が果たせないわけではないし、最後までいくこともできる。だが女性の体にはできれば触れたくない。他人の体に入り込むなんて「したことはあるけど、吐きそうだった。もうしたくない」のだという。女性を不潔だとは思っていない。むしろ、女性を崇高なものだと思い込んでいるからこそ、そうなるのかもしれない。
「原因はわかりません。性的被害の幼児体験があるわけでもありません。ただ、気づいたらそうなっていた。そして僕は、それが普通ではないとわかってはいるけど、普通にしたいとも思わないまま来てしまったんです」
これが自分なのだと素直に受け止めた。学生時代も好きな人ができてつきあったことがあるが、いざとなるとその気になれなかった。「あなたの体を見ているだけでいい」と言って殴られたこともある。
一生、独身でいいと思っていたが…
そんなだから、一生、独身でいいと思っていた。子どもをもつことを望んでもいなかった。女性と生活するなんて自分にはできないと思っていたのだ。ところが、5年前のある日、妹が結婚するにあたって「相談がある」と言われた。たまたま夕方、仕事帰りに妹の勤務先に寄ることができたので訪ねることになった。
「妹が女性と一緒に歩きながら近づいてきたんです。『こちら麗子さん。私の先輩』と紹介された。挨拶を交わして彼女は去っていったけど、完全に一目惚れでした。惚れるというより、なんだか心臓を鷲づかみにされたような衝撃でした」
確かに美しい人だったが、顔が好みだったとかプロポーションがいいとか、そういう惹かれかたではない。この人とは前世もそのまた前も、深い縁があった、魂が交錯したという類いのものだと隆行さんは熱弁をふるった。妹の相談ごとが何だったのかはまったく覚えていないが、しつこく麗子さんの連絡先を教えてくれるよう頼んだ。
「そうしたらなぜか麗子から連絡があったんです。会いたいというと、いいわよって。会ったら彼女のオーラがすごくて、もう僕はへなへなになりました」
妹によれば、麗子さんはどこぞの大名の末裔だという。父親は事業を幅広く展開していて、実家は地方都市の大地主だとか。どこまでが本当かわからないけどねと妹は言った。
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