「本当に怖いのは「ムセない誤嚥」 誤嚥と肺炎を防ぐ「のど筋トレ」の方法とは?

ドクター新潮 ライフ

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「暮らしの5箇条」

 最後に、私が外来でお伝えしている「暮らしの5箇条」をご紹介します。たとえ筋トレをしなくても、この五つを意識するだけでちょっとした誤嚥は予防できるはずです。

一、お辞儀をするように、軽く下を向いて飲み込むこと。ジョッキビールを飲むように上を向いて流し込むと誤嚥率が上がります。

二、ムセたときに水を飲んではいけません。水を余計に誤嚥します。前かがみで「ハッ、ハッ」と短く息を吐き、異物を出し切ること。

三、年を取ったら「一口サイズ」を小さくする。一口量が多い人ほど誤嚥しがちです。

四、テレビを見ながら、話しながらの「ながら食い」は誤嚥のもと。一口含んだら咀嚼(そしゃく)して嚥下し切るまで、他のことはしない。会話と咀嚼・嚥下のメリハリが重要です。

五、いつも声を出すこと。家族との会話、友人との雑談、カラオケ、音読――何でもいいので声を出す。肺活量が上がることも、誤嚥予防につながります。

 食欲は性欲、睡眠欲と共に、人間の根源的欲求の一つ。食欲が満たされたとき、私たちは言葉にできない充足感を覚えます。皆さんの人生が末長く「食べる喜び」に満たされることを願っています。

西山耕一郎(にしやまこういちろう)
西山耳鼻咽喉科医院院長。1957年生まれ。北里大医学部卒。国立横浜病院医長、北里大医学部臨床准教授、東海大医学部客員教授、藤田医科大客員教授などを歴任。横浜嚥下研究会代表。神奈川県嚥下キーパーソン。主な著書に『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』(飛鳥新社)がある。

週刊新潮 2026年7月30日・8月6日号掲載

特別読物「『飲み込み』のエキスパートが伝授 誤嚥と肺炎を防ぐ『のど筋トレ』」より

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