「本当に怖いのは「ムセない誤嚥」 誤嚥と肺炎を防ぐ「のど筋トレ」の方法とは?

ドクター新潮 ライフ

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本当に怖いのは……

 そして先述の通り、本当に怖いのは「ムセない誤嚥」です。「うちの父はムセないから誤嚥していませんよ」――外来診療時によく耳にするのですが、これは大きな誤解。年齢とともにのどの感覚が鈍ると、異物が気管に入っても感知できなくなる「不顕性誤嚥」が起こります。気付かぬまま少量の唾液や食べ物を毎日繰り返し気管に入れていれば、肺で静かに炎症が広がる。そしてそっと体力を奪っていき、痰が増え、咳が出て、呼吸が苦しくなり、微熱が出たりする。じつはこれが高齢者の肺炎の主犯なのです。

 けれど、足腰の筋肉が運動で機能を回復するのと同じように、のどの筋肉もまた、毎日少しずつ刺激すれば若返ります。一般的には、筋肉を作るのに要する期間は6週間ほど。いつまでもおいしく食事を楽しみたい人は、まずは1~2カ月、次にご紹介する「のど筋トレ」を続けてみてください。

三つの「のどの筋トレ」

(1)嚥下おでこ体操

 おでこに手のひらの手根部(手首)を当てて、背筋を伸ばします。おへそをのぞきこむようにあごを引きながら、同時に手のひらで額を押し返します。額と手のひらがぐっと押し合う状態で“のど仏近くがリキむ感覚”になっていればOK。5秒キープできたら、それを10回1セットで、1日3セット以上行えば理想的です。いつでもどこでもすぐに実行できる体操なので、テレビのCM中や入浴中などにサッと実践しましょう。

(2)あご持ち上げ体操

 まず、両手をグーにして下顎に押し付けます。次に顔はおへそを見るように首に力を込めてください。そうして、首の力とグーの力を拮抗させます。顔の位置を5秒キープしたら、それを10回1セットで、1日3セット以上行います。こちらものど仏あたりが「引き締まる」感覚があれば正しくできています。

(3)ボールつぶし体操

 100円ショップなどで売られている握りこぶし大のやわらかいゴムボールやテニスボールを用意します。ボールをあごの下に挟み込み、そのままあごを引きましょう。5秒間で思いっきりボールをつぶすように首やあごに力を込めます。10回1セットで1日3セット以上行います。空のペットボトルも代用可。柔らかめのペットボトルの中身を抜いて、キャップを閉めてから行います。

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