「まるで難民キャンプ」 避難所の劣悪な環境に専門家も「びっくりした」 車中泊にもリスクが 「熱したフライパンに飛び込むようなもの」
「お風呂のお湯を残しておくのがいい」
災害に際し、家屋の倒壊による圧死などを〈直接死〉という。対して〈災害関連死〉とは、被災後に病気を発症するなどして亡くなるケースを指す。10年前の熊本地震の死者は270人以上。このうち200人以上が、災害関連死だった。被災後にどう振る舞うかが生死を分けるのである。
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「約45年、災害に携わっていますが、気温が40度を超えるような気候での震災はありませんでした」
そう語るのは、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏。ここまで“災害級”の暑さになると、気がかりなのは“水”の問題だ。今回も断水した地域がある。いかにして水を確保するべきなのだろうか。
「水は“生活用水”と“飲料水”に分けられます。生活用水に関しては、日頃からお風呂の湯を残しておくのがいいですね。浴槽には約100リットル以上の水がためられますので、数日分は十分に確保できます」(同)
生死に直結するのが、飲料水のほうである。
「国の指標では一人最低限1日3リットル×3日分、できれば1週間分を備蓄するようにと決められています。さらに、実はトイレの貯水タンクの水も活用可能です。約10リットルの水が常に入れ替わり、普通の水道水と変わらない。汚いと思われるかもしれませんが、月に1回ほど掃除すれば水垢の問題もなくなります」(同)
渡辺氏によれば、停電時の冷蔵庫にも活用法がある。
「電源の入っていない冷蔵庫は“ただの箱”ですが、冷凍食品などを冷蔵庫の一番上の段に入れて、中を密閉しましょう。冷気は下に流れます。この状態で2、3日すると、冷蔵状態を維持したまま、冷凍食品は食べごろになっています」
「まるで難民キャンプ」
日本の避難所は毎度のようにその劣悪さが取り沙汰されている。拓殖大学の特任教授で防災教育研究センター長の濱口和久氏が言う。
「今回も避難所の様子にはびっくりしました。八代市のメインの体育館でさえ、被災者たちは雑魚寝。まるで難民キャンプです。こういう状態の避難所にクーラーを入れても、空気は埃っぽく、淀むはず。空気環境の悪化は、肺炎などの病気にもつながりかねません」
こうした避難所に代わり注目されるのが車中泊。エアコンを効かせればなんとか酷暑だけはしのげそうに思えるが、これも万能ではない。医師で新潟大学特任教授の榛沢(はんざわ)和彦氏によれば、
「車内でじっとしていると、最初にふくらはぎのヒラメ筋静脈に血栓ができます。それが肺の血管などに詰まると命に関わる。これをエコノミークラス症候群といって、前回の熊本地震では、本震から4時間で発症した方がいました」
対策としては、2~3時間ごとに歩いたり、ふくらはぎをマッサージするのがいいという。
車中泊の危険はほかにも。
「エンジンをかけながら車中泊をすると、車内に排ガスが入り込んで一酸化炭素中毒になってしまうおそれがあります。また、高齢者は寝返りが打ちにくいため誤嚥性肺炎にもなりやすい。実際、前回の熊本地震の際には肺炎での死者が少なくありませんでした」(同)
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