「あの二人、親子じゃないですよ…」 人は70歳を過ぎても恋をするし、体の温もりを求めるという当たり前のことはなぜタブー視されるのか
男性向け週刊誌では、メイン読者層である高齢者を対象に「高齢者の性」についての特集を時々組むことがよくある。こうした動きに対して、若年層は若干呆れモードで「そんな歳になっても性に関心があるの?」といった感想を持ちがちである。だが、実際に高齢者と接する機会が増えた私は、彼ら/彼女らの性への欲望は切実であると実感している。【中川淳一郎(ネットニュース編集者)】
【写真】“紀州のドンファン”こと野崎幸助氏(享年77)と、55歳年下の元妻の姿
ないことにされがちな高齢者の「性」だが…
私は女性向け恋愛・性のサイト「AM」にて「本当にあったエロい話」という連載を担当しているが、過去に70代のカップルについて書いたことがある。女性は私が住んでいたアパートの大家で、アパートの隣に建つ家に住んでいたのだが、そこに毎日正午あたりに男性がやってくるのだ。そして、ある日、彼女の家の前を歩くと窓が少し開いており、そこから“最中”の二人の姿を見てしまったのである。
別に覗き見をしたというわけではなく、偶然見えてしまったのだ。私だってできれば他人様の行為を見たくはなかった。ここからは勝手な想像なのだが、男性は不動産会社の経営者で、仕事上の付き合いがあった大家といつしかそのような関係になったのではなかろうか。
週刊誌による高齢者の性特集では「Aさん(74歳男性)」といった、仮名の人物が登場するが、当然編集部は、そのAさんに取材をしている。Aさんは「私は生涯現役でいたい」やら「若い女性と肌を触れ合うのは生きる張り合いを与えてくれる」などとコメントする。これはあくまでも男のファンタジー的に捉える向きもあるだろうが、性に関してはさておき、2011年に68歳の加藤茶が45歳年下の女性と結婚したり、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた76歳男性が21歳の女性と結婚するなどの事実はある。
これを前提に話を進めるが、地方生活をすると何かと高齢男性と酒を飲む機会が多くなる。都会よりも高齢者の割合が高いのだから当然なのかもしれない。すると、酔っ払った彼らが、最近風俗店へ行ったことを自慢げに語るのである。
また、居酒屋の従業員女性が常連の70代男性に「私はあそこの風俗店で働いている」とウソをついたことがあった。なんのためにこのような嘘をついたのかは分からないが、まぁ、場を盛り上げるための冗談だったのだろう。彼女は店での源氏名は「ミホ」だと伝えた。この男性は後日その風俗店を訪れ、「ミホちゃんを指名したい」と言ったそうだ。だが、そんな女性はいないと店の側は言う。
[1/2ページ]


